2017年01月13日

去年のリオオリンピック開催期間に、オリンピックに関連した本でも読もうと思いたって出会った本です。

ヒトラーのオリンピックに挑んだ若者たち: ボートに託した夢
ダニエル・ジェイムズ・ブラウン
早川書房
2014-09-25


ボートの知識はゼロですが、十分に面白かった!

30年代アメリカの生活がいかに厳しいものだったのか、また、ヒトラーがオリンピックをプロバガンダに利用していたドイツ政権がいかに厳しいものだったのかがよくわかる本でした。
貧しい暮らしの中で、必死に生きる若者たちが、ボートに夢を乗せて進んでいく姿がとても美しく描かれていて、知識が全くなくてもボート競技の素晴らしさを味わえます。

原題は「THE BOYS IN THE BOAT」。
かっこいいなぁ。

分厚い本なので多少時間がかかりますが、重厚なノンフィクションを欲している人には是非お勧めしたい作品です。

座頭魄市orejiru at 14:32│コメント(0)トラックバック(0)このエントリーをはてなブックマークに追加

2017年01月08日

試験勉強にも役立ちそうな地図の紹介。

日に日に複雑化していく世界情勢を地図に落としこんで視覚化。直感的に世界情勢を把握するのに最適な地図です。

増補改訂版 最新 世界情勢地図
パスカル・ボニファス
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016-09-30


4部構成。

第1部 
過去における大きな転換点
C1m_1lUUoAAsNYd

地球で栄えた最初の人類が、どのように移動していったのかを視覚化した地図。

第2部 
グローバル化した世界についてのさまざまな解釈
C1nABXgUQAIDQhU

アメリカを中心とした一極世界を視覚化した地図。

第3部 
世界のさまざまなデータ
C1nAHW6UQAAzs8q

1990年-2005年の森林面積の推移を視覚化した地図。

第4部 
それぞれから見た世界
C1nAP7-UQAAQiQR

日本から見た世界情勢地図(フランス人目線)。

変化が激しい世界情勢は、年々加速しているので、本書の寿命もそう長くはないと思いますが、現在の情勢をざっくり頭に入れるにはうってつけの本。

座頭魄市orejiru at 10:23│コメント(0)トラックバック(0)このエントリーをはてなブックマークに追加

2017年01月07日

地図の物語 人類は地図で何を伝えようとしてきたのか
アン・ルーニー
日経ナショナルジオグラフィック社
2016-07-15


先日の記事で紹介した「地図のたのしみ」http://takushi.blog.jp/archives/52075041.htmlに絡めてもう一冊おすすめ本。

「地図のたのしみ」は脳がよろこび、「地図の物語」は目がよろこぶ。

古くは25000年前にマンモスの牙に刻まれた地図から始まり、NASAによって撮られた最新の衛星写真まで、140点以上の図版を網羅している。どの図版もとびきりうつくしい。
構成は全5章。各章の中から1枚ずつピックアップ。

第1章 われらが大地
初期の地図は居住者たちによって作られた
C1iuZkfUoAACuPr

25000年前にマンモスの牙に刻まれた模様。これが地図かどうかは専門家の中でも意見が分かれるようだが、仮に地図であるならば最古の地図となる。地図のはじまりは「わたしは今どこにいるのか」

第2章 山海を越えて
旅や移動を収録した地図の数々
C1iuqWIUkAAdvUY

1497年に描かれた聖地巡礼図。ベネチアからキルケラ島、メトニ港、ロードス島と航海して、パレスチナへ向かった旅の記録となる。写真では見づらいが右端に見えるのが聖地の終着点エルサレムが描かれている。

第3章 探検と領土拡大
「探検」がもたらした地図のさらなる拡大
C1iurLoVQAARMqN

個人的にロマン溢れるこの地図はとくにお気に入り。1595年のもの。北極圏がはじめて描かれた地図で、中央に黒い巨大な岩がある。当時は北極に向かって4本の川が流れ込んでいて、渦を巻きながら地球の奥底へ吸い込まれていると考えられていたらしい。最高や!

第4章 世界観の変客
世紀を跨いだ遠方への旅が地図を完成に導いた
C1iu19QUsAEp--O

1450年の地図。西洋で初めて「日本(当時の表記はcimpagu)」が描かれた。白人に居場所がバレて600年経った。

第5章 主題図の登場
題材・使用目的を絞った現代の地図
C1iu7m5VIAMejet

1815年の地層地図。聖書では地球誕生が6000年前との記述だったが、19世紀にはじめて地層の調査がされ、どうやらこの地球にはもっと壮大な物語があることに気づき始めた人類。胸熱!


リビングに無造作に置いておき、子どもの目にとまるように仕向けるのもいい。これは冒険の書なのだ。宝箱のありかが描いてある地図を見るような目で、この世界を眺めてほしい。

座頭魄市orejiru at 14:33│コメント(0)トラックバック(0)このエントリーをはてなブックマークに追加

2017年01月04日

古本屋で見つけた一冊。

随分長い間、TVはほぼ「ブラタモリ」しか見ていないのですが、そうなると興味の方向も次第に偏りはじめ、こういったタイトルに目がいってしまうわけです。

地図のたのしみ (KAWADEルネサンス)
堀 淳一
河出書房新社
2012-03-23



目次を見ると「釜石線物語」の文字が。ページを捲ると故郷の地図が載っていて、その地図に見る考察を読みたく即購入。

後から知ったのですが、この本は地図好きの間ではバイブルとされている名著なようです。

C1SE25rVIAAKdXw
釜石港近辺の今昔地形図

C1SE5wcUoAArzxJ
釜石ー遠野間の鉄道

C1SE9GPUQAA5jlh
花巻市の大正時代の鉄道

故郷の章はもちろんのこと、全ての章がおもしろい本でした。地図をじっくり読み込み、その土地の風景を想像する。鉄道好きと地図好きの親和性が高いのは、理想の構図の鉄道写真を、事前に地図から高低差を読み解くことが出来るからなのかもしれませんね。地図が読めればいいショットが撮れるポイントの予想がつく。その答え合わせは最高に気持ち良さそう。

地図があれば家の中でも旅行が出来る。
地図はいいぞ。

座頭魄市orejiru at 09:00│コメント(0)トラックバック(0)このエントリーをはてなブックマークに追加

2017年01月01日

2016年に読んだ本でオススメを聞かれたなら、迷わずこの本を推す。

何がスゴいって、書く技術の低いわたしですら読んでいて「この文章はちょっとないなぁ…」と何度も思ったにもかかわらず、内容そのものが面白すぎて読後は「これが2016年ベストだ!」と全力で推してしまうほど大興奮。文章力と本の面白さは比例しない好例。

戦国モノといっても弓矢や刀でえいやっ!と争う話ではなく、そういった戦国らしい描写は一切出てきません。

前前前世からの大大大規模な土木小説です。

家康、江戸を建てる
門井慶喜
祥伝社
2016-02-09



構成は全5話の連作短編で、各タイトルは下記の通り。
第1話 流れを変える
第2話 金貨を延べる
第3話 飲み水を引く
第4話 石垣を積む
第5話 天守を起こす

家康がどのように江戸をつくりあげていったのかが分かる名著です。全話おもしろいですが、特に気に入ったのは第2話の金貨を延べると、第3話の飲み水を引くの2つが好き。

土地の時代から貨幣の時代へ変わる流れを読み、農民には使いづらい大判より小判の生産を命ずる先見の明。秀吉が作らせていた西の金貨よりも金の含有率を高めることで、質のいい東の金貨を全国的に流通させようと仕掛けた通貨戦争にしびれます。日本橋にある日本銀行本店の歴史、ロマンあっていいですよ。

そして井の頭公園付近に住んでいる者として、第3話の飲み水を引くは最高でした。この土地にこんな歴史があっただなんて、全く知りませんでした。現在では水質はあまり褒められたもんではないけれども、当時の江戸に住む人たちの貴重な飲み水として、はるばる江戸まで水を引く大工事をしたんですね。

やっぱり東京は面白いですね。この本を読んで改めて東京が好きになりました。ブラタモリが好きな人なら間違いなく面白い本ですので是非。


座頭魄市orejiru at 22:54│コメント(0)トラックバック(0)このエントリーをはてなブックマークに追加
最新記事
記事検索