2017年01月01日

2016年に読んだ本でオススメを聞かれたなら、迷わずこの本を推す。

何がスゴいって、書く技術の低いわたしですら読んでいて「この文章はちょっとないなぁ…」と何度も思ったにもかかわらず、内容そのものが面白すぎて読後は「これが2016年ベストだ!」と全力で推してしまうほど大興奮。文章力と本の面白さは比例しない好例。

戦国モノといっても弓矢や刀でえいやっ!と争う話ではなく、そういった戦国らしい描写は一切出てきません。

前前前世からの大大大規模な土木小説です。

家康、江戸を建てる
門井慶喜
祥伝社
2016-02-09



構成は全5話の連作短編で、各タイトルは下記の通り。
第1話 流れを変える
第2話 金貨を延べる
第3話 飲み水を引く
第4話 石垣を積む
第5話 天守を起こす

家康がどのように江戸をつくりあげていったのかが分かる名著です。全話おもしろいですが、特に気に入ったのは第2話の金貨を延べると、第3話の飲み水を引くの2つが好き。

土地の時代から貨幣の時代へ変わる流れを読み、農民には使いづらい大判より小判の生産を命ずる先見の明。秀吉が作らせていた西の金貨よりも金の含有率を高めることで、質のいい東の金貨を全国的に流通させようと仕掛けた通貨戦争にしびれます。日本橋にある日本銀行本店の歴史、ロマンあっていいですよ。

そして井の頭公園付近に住んでいる者として、第3話の飲み水を引くは最高でした。この土地にこんな歴史があっただなんて、全く知りませんでした。現在では水質はあまり褒められたもんではないけれども、当時の江戸に住む人たちの貴重な飲み水として、はるばる江戸まで水を引く大工事をしたんですね。

やっぱり東京は面白いですね。この本を読んで改めて東京が好きになりました。ブラタモリが好きな人なら間違いなく面白い本ですので是非。


座頭魄市orejiru at 22:54│コメント(0)トラックバック(0) │ このエントリーをはてなブックマークに追加

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