2016年03月16日

気がつけば年齢も30代後半に突入し、成長の「のびしろ」もおそらくあとわずかだなんて「諦め」を感じる一方では、ジョギングを始めて、さらにはタバコを辞めたことで、身体面では明らかにパフォーマンスが向上している感覚があり、健康的な肉体に宿りだした健康的な上昇志向とが入り交じった状態にある。

晴れたり曇ったりの空模様のような「こころ」の移ろいを、天気予報のように当てられるのだったらまあ随分と楽なんだろうけれど、明日の気分はおろか、5分先の「気分」すらわからない。

「肉体」は鍛えれば鍛えただけ向上していくのに、「こころ」はどうして筋トレにあたるものがないんだろう。

こころを「鍛える」ことは出来なくても、しくみを知ることで、「備える」ことは出来るのかもしれない。必要なのは折りたたみ傘ってとこやね。「知る」=「腕立て伏せ」や。

そんな意気込みで手に取ったんだっけかな、たしか。






まあ、全然そういう本じゃなかった。

どうやら「無意識」が人生に大きな影響を与えているらしいと、最新の科学で明らかになりはじめてる。では人間の「意思決定」とは、一体どのような仕組みでおこなわれているのかを、ハロルドとエリカという男女の生涯をたどりながら、解明しようというのが本書の狙い。

男女のドラマ仕立てに進めることで、かなり読みやすくなってる。読みやすいが、非常に難解な問題に挑んでいる。

脳科学、神経学、言語学、発達心理学、文化人類学、行動経済学といった認知科学を網羅しつつ、さらに宗教、思想、主義にまで広がりをみせる。

恋愛、結婚、セックス、出産、親子関係、学習、幼児の成長。これまでのじぶんの人生を振り返りながら、あの時、こころの中では、どんな意思決定がされていたんだろうと、思い返しながら読むといい。そして、いつかは迎えなければならない「死」の時までを、どのように歩んでいこうかを、考えながら読むといい。


邦題の「あなたの人生の科学」は正直なところあまり気に入っていない。原著のタイトルは「The Social Animal(ソーシャル・アニマル)」なんだけど、原題ママのほうが良かった。ソーシャル・アニマル。

読後感はとても不思議なものだ。「ほんとうの自分」なんてものは、どこにもないことに気づく。あなたはだれ?僕はこの土地です。文化です。あなたはだれ?僕は友だちや家族、関わりのある人々の考え方、その集合体です。

わからないことは増えたけど、次のステージに進める気がする。そんな一冊でした。

座頭魄市orejiru at 19:47│コメント(0)トラックバック(0) │ このエントリーをはてなブックマークに追加

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