2015年04月10日

書評サイトHONZ(http://honz.jp/)が選ぶ2014年のベスト10に入った「寄生虫なき病」を読んだ。HONZが2014年に選んだ10冊の中で僕が読んだのはこれが4冊目。

こいつはすごい本。

ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」で人類と病原菌の関係性を学んだ人に(そしてあの本に興奮を覚えた人に)薦めたい1冊。

寄生虫なき病
モイセズ ベラスケス=マノフ
文藝春秋
2014-03-17



アトピーやアレルギーなんてものは昔はなかった。例えばアトピーに関しては本来皮膚には微生物がたくさん寄生していて共存関係にあったのだが、必要以上に清潔にすることで微生物が不在となり代償として免疫力が低下してしまった。そんな現代人特有の病気だって話を聞いたことがある人も多いはず。

僕自身、小学生の頃は重度のアトピーに悩まされて、週に1度、車で1時間半かけて峠を越えて、となり町の有名な皮膚科の先生のところまで通っていた。おかげですっかり良くなったのだが、今でも年に1度、冬が来るたびに皮膚が数枚べろべろと剥がれ落ちて脱皮をとげる体のままだ。

問題は息子のほうで、アトピーに加えアレルギーを抱えている。卵。大豆。乳製品全般。卵に関しては数値が高く、食べると死亡リスクがある数値だと注意を受けた(6歳となった現在は大豆を克服、チーズを克服、卵の黄身を克服と、徐々に改善を見せている)。

友達が食べているおいしそうなお菓子の大部分を口にすることも出来ずに、指をくわえてジッとそれを見ている姿には胸が苦しくなるものだ。また、全身の痒みに耐えきれず、睡眠すらままならない状況は見ていて痛々しい。今ではだいぶましにはなったが、痒みのせいで睡眠は浅く、夜中に何度か起きて「おくすり…」と、かゆみ止めを求めるのは変わらない。

いろいろと重なるもので、アトピーとアレルギーの他に発達障害もついてきた。ADHD(注意欠陥・多動性障害)と3歳で宣告を受けた。この宣告には僕も嫁も疑問を抱いた。障害を抱えてるようには思えなかったが、「このままだと小学校で一般クラスの入学は厳しいかもしれません」と心の準備を促された。

この頃のこと、思ったことや考えたこと、そして親として僕と嫁がしてきたいくつかのことについて、いつか言葉にしてまとめるつもり。

今ではADHDの診断も修正されて一般クラスに入学し、週末は入団したサッカーチームで元気に走り回り、すくすくと成長していく姿を見せてくれている。


アトピー、アレルギー、そして発達障害。これらの原因が「寄生者不在」によるバランスの乱れにあると言えばあなたは笑うだろうか。

そればかりではない。

花粉症、ぜんそく、うつ病、自閉症、そして病の皇帝「癌」までも。これらの原因が「寄生者不在」によるバランスの乱れにあると言えばあなたは呆れるだろうか。

きれい好きなママたちは耳を塞いでしまうだろうし、パパたちはトンデモ本だと怒り出すかもしれない。

しかしだ。

本屋で試し読みでもしてみるといい。これはいわゆるトンデモ医学本とは一線を画する。

衛生という概念が誕生して約160年。この概念の発見こそ医学にとって最も偉大な発見であり、それから飛躍的に医学が進歩してきたのは言うまでもないが、同時に、人類は恐るべき代償を支払っていたのだ。

楽に読める本ではない。
それでも我々は学ぶ必要がある。

「人は誰もがみんな、誰かに支えられて生きているんだよ」

ほんとうにそうだ。
我々は、菌と共にしか生きてはいけない。

我々は、衛生の概念を得て以来、恐ろしい道を歩んでいるのかもしれない。


この本を読んだ100人のうち99人が24時間以内にヨーグルトを食べたと思う。



座頭魄市orejiru at 14:16│コメント(0)トラックバック(0) │ このエントリーをはてなブックマークに追加

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