2015年03月24日

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【あらすじ】
第2次世界大戦下の1939年イギリス、若き天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)はドイツ軍の暗号エニグマを解読するチームの一員となる。高慢で不器用な彼は暗号解読をゲーム感覚で捉え、仲間から孤立して作業に没頭していたが、やがて理解者が現れその目的は人命を救うことに変化していく。いつしか一丸となったチームは、思わぬきっかけでエニグマを解き明かすが……。

【感想】
「アメリカン・スナイパー」も「フォックスキャッチャー」も抜いて、私的2015年<暫定>ベスト映画。

ドイツ軍が誇る最強の暗号機エニグマは暗号パターンが159の後に0が18個(1垓5900京)もの組み合わせを生み出すんだそうです。10人が24時間調べ続けた場合、解読するのに2000万年かかる計算。しかも日付が変わる12時になると新しい暗号パターンに切り替わる。

毎日変わるんです。

このエニグマに挑んだのが天才数学者のアラン・チューリングという人物。

僕はチューリングという人物について何ひとつ知りませんでした。数学者やコンピュータ関係の職についてる者ならば知らない人はいないほど有名なそうです。彼の人生を知ると、チューリングは一般教養として知っておくべき人物だとすら思えます。歴史家の見解ではチューリングがエニグマを解読したおかげで戦争終結が2年は早まったとか。

なにより映画として素晴らしかった。

数字に対しては天才的だけど対人となるとかなり問題があるチューリング。対人認知や対人行動に著しい欠陥があるゆえにチームの中で孤立してしまう。しかし彼のよき理解者として途中からチームに加わったクラークが橋渡しとなりチームは団結していく。チューリング一人では越えられない壁をチームが団結することで乗り越えていく姿に熱くなる。

よくあるヒューマンドラマ。

だけれどドラマの中に時折挟み込まれるもう一つのストーリーがチューリングの少年時代のおはなしで、チューリング少年がなぜ数学、そして暗号に執着することとなったのかが解き明かされていくんです。彼が誰にも打ち明けることが出来なかったその秘密に、胸が引き裂かれるような気持ちでした。

ひいて見ればハッピーエンド。でもチューリングはひとり苦悩にまみれ孤独を深めていく。

彼に限らず、天才はいつもひとりぼっちなのかもしれません。

彼は少しでも幸せを感じることが出来たのでしょうか。僕にはわかりませんが、こうして彼の映画が生まれたことで、きっとこれが支えとなる人もたくさんいるでしょうね。

「イミテーション・ゲーム」が見事アカデミー賞脚色賞に選ばれました。脚本家グレアム・ムーアの授賞式でのスピーチが話題を呼んでいるようです。この映画がどれほどの思いで作られたのか、そしてどれほど素晴らしいか、スピーチからも伝わります。

短い時間ですが、僕には伝えたいことがあります。16歳の頃、僕は自殺を図りました。自分は変わり者で、他の人とは違い、居場所がないと感じたからです。

そして今、僕はここに立っています。だから僕はこの時間を、自分は変わり者だとか、他の人とは違うとか、どこにも居場所がないと感じている若者のために捧げたいと思います。

君の居場所はあります。僕が約束するよ。変わり者のままで、みんなと違うままでいいんだ。いつか君がここに立つ番が来た時には、どうか同じメッセージを次の人に伝えてください。どうもありがとう!


素晴らしい映画です。
こういう映画がきっと、心を豊かにするはずですよ。

座頭魄市orejiru at 13:30│コメント(0)トラックバック(0)映画 │ このエントリーをはてなブックマークに追加

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