2015年02月22日

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【あらすじ】
大学のレスリングコーチを務めていたオリンピックメダリストのマーク(チャニング・テイタム)は、給料が払えないと告げられて学校を解雇される。失意に暮れる中、デュポン財閥の御曹司である大富豪ジョン・デュポン(スティーヴ・カレル)から、ソウルオリンピックに向けたレスリングチーム結成プロジェクトに勧誘される。同じくメダリストである兄デイヴ(マーク・ラファロ)と共にソウルオリンピックを目指して張り切るが、次第にデュポンの秘めた狂気を目にするようになる。

【感想】
この映画は実際の事件で、なぜデュポン社の御曹司がオリンピック金メダリストを殺したのか真相に迫る映画で、予告編を見た時からすごく楽しみにしていました。

最初から最後まですごく静かな映画で、劇場内で携帯のバイブ音が何度も聞こえてくるくらい静かな映画なので、これから見る人は携帯の電源は是非OFFにしてほしい映画でした。この映画に限った話ではないんですけどね。

そんなすごく静かな映画で、すごくシリアスな場面が続くんですが何度も吹き出しそうになってしまって大変でした。なんにも面白いとこじゃないのに。

以前「たまむすび」というラジオ番組で映画評論家の町山さんが「フォックスキャッチャー」を紹介したんですが、その時の町山さんの解説がこうですよ。

「夜中に『稽古をつけてくれ』って言うんですね。で、暗い中で2人でアマレスのスパーリングをするんですよ。2人で互いのバックを取り合いながら、『ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…』ってやってるんですよ。なんやねん、これは!っていう映画なんですけど。」

山里亮太が「え?そういう映画なんですか?男同士の恋っていうか…」と聞いてもはぐらかす町山さん。

「いや、知らないですよ僕は。まあ、バックを取り合ってましたよ。はっきり言って。汗まみれで。」

しかも引き合いに出した映画がルキノ・ビスコンティ監督の「ルートヴィヒ」で、この映画は同性愛者の話ですからね。

そういう映画じゃないってのは知ってたんだけど、その時の解説を思い出してしまって吹き出さないように堪えるのに必死でした。このシリアスなシーンをそんな茶化した解説の仕方してくれるなよと。

いたって真面目な映画です。真面目にアメリカの闇を描いていて、後味もめちゃくちゃ悪いんですけど心に刺さるものがあります。でも、感想とか出てこないんですよね。誰も幸せにならない映画で、もうちょっとどうにかならなかったのか、やるせない気持ちだけが強く残る映画で。町山さんのような解説する以外に救いがないのかもしれないな、とさえ思うほどに。

人にオススメしづらい作品なんだけど、個人的には2015年のベスト10本に入ってくるかもしれないなぁ。

座頭魄市orejiru at 20:09│コメント(0)トラックバック(0)映画 │ このエントリーをはてなブックマークに追加

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