2014年11月29日
【あらすじ】
バブルがはじけて間もない1994年、銀行の契約社員として働く平凡な主婦・梅澤梨花(宮沢りえ)は綿密な仕事への取り組みや周囲への気配りが好意的に評価され、上司や顧客から信頼されるようになる。一方、自分に関心のない夫との関係にむなしさを抱く中、年下の大学生・光太と出会い不倫関係に陥っていく。彼と逢瀬を重ねていくうちに金銭感覚がまひしてしまった梨花は、顧客の預金を使い始めてしまい……。
【感想】
予告編を観るかぎりでは、正直なところパッとしない映画だなぁと感じていたんですが、吉田 大八監督の前作「桐島、部活やめるってよ」の出来が良かったのを思い出し、それならば今作だって案外楽しめるんじゃないかなんて期待が、ムクムクと膨らんできたものですから、足をのばしてみました。
ですが、これといって悪かったところもありませんが、これといって褒めたいところもない、エンドロールのおわりまで(これは受信側に問題があるのですが)何も得ることが出来ずに退場となってしまいました。
ホンネは、パッとしない退屈な毎日の繰り返しの中で、消耗しきってしまった冴えない顔の主婦「宮沢りえ」の日常を、エンドロールまで延々と垂れ流してほしかった。興行としてはもちろん大失敗でしょうけど。
こんなに冴えないんですよ。
レビューとか覗いてみても、ああ、宮沢りえも年を取ったなぁ…なんてのを結構みかける。
でも宮沢りえは今もやっぱり宮沢りえで、例えば先月の映画祭で「紙の月」をひっさげて登場した時の姿がこれ
相変わらずの美しさ。
笑うことの少ない日常を送っている主婦の顔を、しっかり演じられる実力があって、なおかつ華がある。今まで気がつけませんでしたが、すごい実力派女優さんなんだなぁってのが今回唯一の発見でした。
見るからに幸の薄い主婦オーラが出ていて、年下の大学生と不倫はじめる行為もある意味「様になっていた」。
でも、物語的な何かはむしろ邪魔でした。
いつか「是枝裕和監督」×「宮沢りえ」で、日本の家族風景を撮ってほしい。何も起こらなくていい。宮沢りえが「みそ汁」を台所で作っているだけで映画になる。