2014年10月06日

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今回の新作「猿の惑星:新世紀(ライジング)」も期待を裏切ることなく、安定した面白さでした。

僕は生涯ベスト映画を10本選ぶなら「猿の惑星」は外せないほど元祖「猿の惑星」は大好きな作品なんです。あのラストの見事なオチ。初めて観たのが小学生の頃で、あれから何度も繰り返し観ているくせに、毎回しびれるんですよ。

前作「猿の惑星:創世記」はしばらく観ることが出来ませんでした。怖かったんですよね。原作エイプをレイプされてるんじゃないかって。結局観たのはレンタルが開始され、さらにしばらく経って旧作扱いになってからでした。

期待していなかったものの、創世記の出来には驚きました。めちゃくちゃ面白い。何より「説得力」があって、SF映画としての「猿の惑星」からリアリズム映画としての「猿の惑星」に生まれ変わっていて、そのレベルの高さに大興奮したものです。

ですから、今回は期待をかなり高く寄せての鑑賞だったのです。

ハードルを高く設定してあって、自分の中でこれだけ高いの超えてきてくれなきゃ認めないよ、ってふんぞり返って見てたのに、軽々とバー超え。



少し映画から逸れた話なのですが。

山極寿一さんという方をご存知でしょうか。

2014年10月1日。

つい数日前のことですが、京都大学の学長に新しく就任された方のお名前が山極寿一さんです。

僕は山極寿一さんのおはなしがとても好きなんです。ゴリラ研究の第一人者として知られていて、最新刊に「サル化」する人間社会が発売されています。




山極寿一さんの「ゴリラ」話、「サル」話のおもしろいところは、「ゴリラ」社会、「サル」社会を通して、人間社会が見えてくるところにあります。

読んでいるうちに「なんだ、猿の惑星はSFじゃなくて予言書か」と思ってしまうほど。なんて言うと山極寿一さんがトンデモ理論者だと誤読されてしまうかもしれませんが、そんな方じゃありません。研究に基づいた確かな結果を丁寧に説明される方です。

山極寿一さんのおはなしを僕が勝手に拡大解釈して誇大妄想に浸ってるだけの話。



人間の遺伝子とサルの遺伝子の違いは僅かに3%と言われています。じゃあ人間とゴリラの違いはというと、僅かに2%としか違いはないのだそうです。

人間はサルというよりはゴリラなんですね。

ではサルとゴリラで大きく違う部分は何かというと、ゴリラは「家族」単位の概念“しか”持っておらず、サルは「群れ」単位の概念“しか”持っていないということ。

サルは「親子」関係はあるものの「家族」関係に執着することはないんです。

サルとゴリラの家族社会、群れ社会の違いを通して考える人間社会にとっての「家族とは何か」「社会とは何か」という考察は非常に興味深いおはなしで、近代では(遺伝子的にも)ゴリラ的だった人間がどんどんサル化していることに警鐘を鳴らしている上記の本は、「猿の惑星」のストーリーを楽しいとおもえる人であれば、間違いなく楽しめると思います。勉強にもなりますし。



それで、肝心の映画の話なんですが。

「猿の惑星:新世紀(ライジング)」では、エイプのリーダーであるシーザーの「家族愛」がメインになっています。本来であれば概念として「家族」をもたない猿がそこに「愛」をもつとき、猿は限りなく人に近づく。同時に僕ら人間は、ますますサル化してきています。

人間とサルの境界線が曖昧になり、交差する瞬間。
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是非、劇場で味わってほしいなあと。

ほとんど映画について触れませんでしたけど、めちゃくちゃ面白いのでまずは創世記を観て、間髪いれずに映画館へ行くべし!
猿の惑星:創世記(ジェネシス) [Blu-ray]
ジェームズ・フランコ
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
2014-09-03



座頭魄市orejiru at 20:21│コメント(0)トラックバック(0)映画 │ このエントリーをはてなブックマークに追加

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