2014年02月26日
TBSラジオ「たまむすび」内で毎週火曜日に放送中の人気コーナー映画評論家の町山智浩「アメリカ流れ者」で紹介されました映画が衝撃的でした。
町山さんが、まだ2月であるにも関わらず2014年ベスト映画として紹介されてまして、「これを超える映画は人間の力では作れないだろう」とまでいわしめたドキュメンタリー作品です。
ちょっと信じられないような内容です。
こういう言い回しは威圧的で好きではないんですが、これ見ないという選択は“罪”なんじゃないかと思わせるような、そんな内容です。文字起こしをしましたので映画好きもそうでない方もまずは読んでみて。
町山智浩 以下【町】
赤江珠緒 以下【珠】
山里亮太 以下【山】
【町】今日の(紹介する映画)はですね、今回のアカデミー賞ドキュメンタリー部門で最有力候補といわれている作品で、「アクト・オブ・キリング」という映画です。ぼくは今年2014年に入って見た映画で最高傑作ですね。これを超える映画はたぶん出てこないんじゃないかな。
【珠】早くも!
【町】はい。これを超えることは出来ないんじゃないかな、と思ったんですよ。人間の力では。
【町】これインドネシアの話なんですが、今から49年前の1965年にですね、インドネシアで左翼とか共産党支持者とか中国系の人々が100万人以上虐殺されたんですけど、その虐殺した本人がその虐殺の再現ドラマを映画にして記録してみせたのが「アクト・オブ・キリング」なんですよ。
【珠】え? そのぉ…。虐殺をした人たちが?
【町】そう。「こんな風にやったんだよぉ~ん♪」つって。
【山】え? 虐殺した人がいま普通に暮らしてたり、できるんですか?
【町】彼はいま英雄です。国を救った英雄になってるんですよ彼ら。
【山】あ、まだ悪い人たちという捉え方はしてない。
【町】虐殺をしたおかげでいまのインドネシアがあるってんで英雄になってるんで。国営テレビに出演するシーンがあるんですけど、1000人殺したアンワルさんっていう非常に温厚そうな、ブッシュマンのニカウさんに似ているおじいちゃんで、この人1000人殺してるんですね。で、国営テレビに出演して女子アナが出てくるんですね。その女子アナが「みなさ~ん♪ このアンワルさんが1000人の非国民を殺した英雄ですよ~♪」っていうんですよ。
【珠】【山】え~!? それ今!?
【町】いま、現在のはなしです。
【町】このアンワルさんに腰巾着でくっついてるヤクザがマツコ・デラックスさんそっくりなんです。
(資料写真に目をとおして)
【珠】【山】たしかに、ほんとだ(笑)
【町】この人、男なんですけどずっと女の人を演じてるんですよ。女の人を何種類も演じてるんですね、女装で。マツコ・デラックスそのものとして。しかも虐殺シーンでですね、レイプされたりするんですよ。
【珠】え?
【町】なにをやってるんだこいつらは! って思うんですよ。
【珠】そもそもなんで自分たちで映画に?
【山】進んで、ねぇ。
【町】この映画を作ったのはアメリカ人なんですね。ジョシュア・オッペンハイマーというドキュメンタリー作家さんで、もともとは10年くらい前にインドネシアで事件の被害者たちを取材してたんですよ。こんな酷いことがあったのに世界の人がほとんど知らないんですよ。
【珠】たしかに…。100万人を超える大虐殺が…。
【町】その遺族の人たちを取材してたんですけど、遺族たちはフィルムに映りたがらなかったんですね。なぜなら虐殺した側が政権をもっているから。
【山】なるほど。
【町】だからじゃあどうしようって時、あ、そっか! と、殺した側の人たちはテレビに出てるしカメラに映ってくれるな、と思って会いに行くんですよ。そしたら彼らは自分たちが批判的に撮影されるなんて夢にも思わなかったんですね。なぜなら彼らはインドネシアでは英雄なんで。批判されたことがないんですよ。しかもアメリカ人なんで、オッペンハイマー君が。
アメリカってのは虐殺を指示(※支持?)した側なんですよ実は。
【山】あ、そっか。共産主義者を殺したから。
【町】そう。だから味方だと思ったんですね。自分たちの虐殺行為を誉めてくれると思い込んでペラペラとカメラの前で喋ってるところから始まるんですよ。
【珠】【山】おぉ~!
【町】オッペンハイマーは撮ってるとき、それはダメな事だとか言わないで、そうなんですか、そうなんですかって淡々と聞いていくんで、アンワルさんも話してるうちに、「こんな感じで! ちょっとそこ座ってくれ」って座らせて、針金をこうやって首に巻いて絞めたんだってやるんですよ。それやってるうちにどんどんエスカレートして、お金をかけて衣装とか集めたりエキストラ集めたり、最後にはひとつの村ぜんぶ全滅させる大虐殺シーンにまで拡大していくんですよ。調子に乗って。
【珠】自分たちのやった事は、隠したいことではないんですね。
【町】そうなんですよ。
【町】なぜ虐殺事件があったのかっていうのを話さないと分からなくなっちゃうんですけども、すごいややこしいんですが、デビィ夫人っていらっしゃいますよね。あの人はインドネシアのオランダ領から独立させた「独立の父」スカルノ大統領の第3夫人だったんですね。で、1960年代の半ばにスカルノ大統領は方向を転換してですね、共産党を自分の支持基盤にしていくんです。その頃共産党は貧しい農民から人気があったんですね。それで取り込んでいったんですけど、どうしてかというとインドネシア軍ってのはもの凄い独自の権力をもっていて、非常に危険で、大統領も怯えてたんですね。それに対抗するために人気のある共産党を自分の仲間に引き入れたんですよ。スカルノ大統領は。
【珠】【山】はいはい。
【町】ところが1965年の9月30日にですね、軍のトップ6人がいきなり殺されるんですね。その6人は軍隊内の左派、つまり左翼で、共産党と組んでクーデターを企てたから処刑されたって発表されるんですよ。それがほんとうかどうか今も謎なんですけども、そのトップ6人がいきなり殺されてしまったんで、上から7番目の地位にいたスハルトという人が軍を掌握しちゃうんですね。
それで最終的にはスカルノから大統領の座を奪ってスハルト大統領になるんですよ。ところが、スハルトはですね、国家転覆を企んだ共産党および左翼とか労働組合とか、中国系の人々を非国民として大虐殺をしたんですよ。
【珠】ふ~ん。
【町】というのが背景にあるんですね。ただその100万人も殺すってどうやるのかって事なんですが、実際に虐殺を実行をしたのはですね、当時インドネシアで仕事がなくて色んな不満を抱えた若者たちなんですよ。
【山】えぇ…。
【町】アンワルさんもその頃はチケットを売っていたダフ屋だったんですよ。で、チンピラを集めてやつらを殺せ! ってやらせたんですね。その組織化されたチンピラたちは今、パンチャシラ・ユースという愛国青年団に組織化されて現在も300万人がいて、インドネシアを守る暴力装置として機能しているんですよ。
【珠】【山】えぇ~!?
【町】で、彼らみんな英雄なんですね。これ完全に政府がOKしてるんで、現在のインドネシアの副大統領はこの映画に出てきてですね、ヤクザとかチンピラとかがこの国を守ってるんだ! って演説するシーンも出てくるんですよ。
【珠】え、いや、ちょっと…そういう感じなんです…ねぇ。
【町】さっきの、国営テレビでですよ、女子アナが「こんなに殺したんなら、親を殺された子どもたちからあなたたちは恨まれるんじゃないですか」ってシーンがあるんですよ。
【珠】うんうんうん。
【町】そんな素朴な疑問をぶつけたら、その愛国青年団のやつがですね、「だいじょうぶだよ。その子どもも殺すから」って言うんですよ。
【山】いや…それは…。
【珠】ちょっと…信じられない…。
【町】これ現在のインドネシアですよ。彼らの許可を取って撮影してるんですよ。作ってないんですよ。
【山】しかも、賞賛されるものを撮ってると思ってるし…
【町】そうなんですよ! 自分たちは誉められると思って、思いっきりやっちゃってるんですよ。おれたちサイコー! って感じでやってるんですけど、でも撮ってる側はなにも言わず黙って撮ってるから、わかってないんですね。やってる方は。
しかも、彼らが演じるですね、虐殺ドラマってのは極めてしょうもないんですよ。なんていうか日本のお笑い番組以下のレベルなんです。コメディなんですよこれ。
【珠】たしかにね、巨漢のギャングの人が女性役をやったりとか。
【町】マツコ・デラックスが! そのマツコ・デラックスが出てきてお腹を撫でながら妊娠してるかぁ~とか言うんですよ。なに考えてるのかわからないギャグが連続するんですよ。これはすごい、とんでもない内容ですね。
【珠】これは…かつてないんじゃないですか?
【町】いまみんな大金持ちになってるんですけどね。自慢するシーンも出てくるんですよ。こんないっぱい宝石があってな、つって。ここに住んでたやつを皆殺しにして儲けたんだとか言うシーンも出てくるんですよ。全然反省してないですからね。
【山】撮ってる最中とかに気付いたりしないんですか、こいつらは。
【町】このアンワルさんはですね、夜中やっぱり眠れなくて、自分が殺したやつが幽霊になって出てくるって言うことを何度も体験してるんですね。あ、これ(劇中劇)アンワルさん自身が脚本を書いて、彼自身が演じて監督もして、要するに彼しか、目撃者あんまり生き残ってないので、要するに彼自身が作っている映画なんですね。で、最近夢に殺した人が出てくるから、それを映画にいれようってことで幽霊を作るんですけども、その幽霊がまたどうしようもなくて、昔おれたちひょうきん族でさんまさんがやっていたパーでんねんみたいな感じなんですよ。もう爆笑してしまうんですけども。自分でも笑ったらいかんと思っても、笑ってしまうんですよ。
もう、この見ていて気持ち悪い感じっていうのは遠藤周作さんって作家がですね、第二次世界大戦が終わってから13年後くらい経ってからですね、「海と毒薬」という小説を書いてるんですけど、その時に町のふつうのおじさんが銭湯でですね、「兵隊として中国に行ったときはやりたい放題楽しかったなあ、殺し放題 犯し放題で」って言うシーンがあるんですけど、それ読んだときのもの凄い不快感というか恐ろしい感じがよみがえる感じなんですよ。
見てる間はらわたを掴まれた感じなんですけど。
【珠】【山】ん~。
【町】で、アンワルさんが撮ってるうちにだんだん、おかしくなっていくんですよ。
【山】ほぉ。
【町】それで自分と一緒に大量虐殺をやったアディっておじさんを呼んで、虐殺シーンを一緒に撮るシーンがあるんですね。するとそのアディに「ちょっとここだけの話だけど、おれ最近つらいんだ」って言うんですよアンワルさんが。
【山】ほぉ。
【町】「もうたくさん殺して、こうして再現しているうちに辛くなってきたんだ」って言うんですよ。するとそのアディが「だいじょうぶだよ、おまえ。気にすんな。ほら、ビタミンでも飲め」って言うんですよ。
【珠】ちょっと…ちょっと。
【町】で、「おまえ覚えてるか?おれもいっぱい殺ったけど、あの頃おれ中国人のガールフレンドいただろ」って言うんですよ。で、「そのおやじレンガで殴り殺したからさ」って言うんですよ。「覚えてるだろ、ほら」って。「中国人だって理由だけで」って言うんですよ。
【珠】いやぁ…。
【町】アンワルさんが悩んでるのに対してアディは政治家として金持ちになってて、高級ショッピングモールでおしゃれに買い物したりするシーンも出てくるんですけども、すごくね、理性的に、冷静に、自分たちがやったことを客観的にですね、合理化してる人なんですね。この人のほうがちょっと怖かったんですけども、ぼくは見てて。
で、アディがこう言うんですよ。
「あれは虐殺だったというけれども虐殺じゃないんだ。あれは戦争だったんだ」と。「共産主義との戦争だったんだからしょうがないんだ」って言うんですよ。
で、「それって戦争犯罪なんじゃないですか?」って監督が突っ込むんですよ。すると「なにいってんだ、戦争犯罪かどうか、虐殺かどうか、それを決めるのは戦争に勝った方が決めるんだ」って言うんですよ彼は。
【山】お、おう…。
【町】ヒロシマに原爆を落としたアメリカ兵って死ぬまで反省しなかったですけど、それに近い感じなんですね。勝った側だから。逆に日本が勝っていたらどうなっていたんだろうって気持ちもすごいあるんですよ。
これはもう色んなことを考えさせる映画なんですよ。
【珠】ちょっとこれは人間の善悪とか良心とかって、こんな感じに…なれちゃうんですね。自分がこう…信じてるものがあれば…それが合っていようが間違っていようが…。
【町】そうなんですけど、アディの考え方っていうのは善悪っていうのは状況によって変わるんだし、勝ったものが歴史を作るんだから、そんな事で悩むなよ、という考え方なんですけども。アンワルさんは実はそうではなくて、状況とかではなくて自分がやったことはやっぱり悪いことだって段々苛まれていくんですよ。
【山】わ…この映画をきっかけに、徐々に。
【町】はい。そこから大変なことになっていくんですね、この映画は。
実はアンワルさんはいい人だったんじゃないか、とぼくは思ってるんですよ。
【珠】えぇ~!? そ、そうなります?
【町】彼は利用されただけだと思います。日本でも戦争行った人たちで悪いことした人いますけども、でも彼らは普通の人でしょ。ほんとうは、やらせた奴らがいるわけですよ。上の方に。
でね、段々そのことにアンワルさん気付いていくところが怖いんですよ。
【山】でもこれ、国として気付くことは危険なことなんじゃないですか?
【町】もの凄い危険な事だと思います。これ今、体制が続いてるんですからね現在もねえ。これだから世界的にインドネシアがどういう状況なのか、いまスゴい経済発展してますけども、このまま放っておいていいのかってことですね。全く体制変わってないんですから。
【珠】ほんとだなぁ…。
【町】すごいのは共産主義者だとか左翼だって決めたのはどうやって決めたのかわからないって言うんですよ。
【山】えっ?
【町】それは新聞社が決めたんだ、と。マスコミがあの村は共産主義だ、あの村もそうだって決めつけてたんですよ当時。で、新聞社の人が映画に出てきてですね、「非国民が誰なのか俺たちが決めた」って言うんですよ。
【珠】それまた堂々と…。
【町】「非国民とか愛国的じゃないものへの憎しみを、みんなに煽るのが我々の仕事だ!」って堂々と言うんです。
で、また拷問所もスゴくてですね、「おまえは共産主義者か! おまえは左翼か! おまえはアカか!」ってやるんですけど、まあ大抵違うんですね。というのは貧しい農民たちは労働組合を作ってただけで、貧しい農民ってだけで左翼扱いされてたんですよ。で、ひとつの村ごと焼き払ったりしてるんですけども、「おまえ共産主義者って言わないんだったら、今そこにいるお前の子どもを殺すぞ」って言うんですよ。子どもは「おとうちゃ~ん!」って泣いてるんです。再現ドラマやってるんですけどね。で、「共産主義者って言わなければおまえの子を殺す」って。でも言ったら殺されちゃうわけですよ。
【山】そうっすよね…。
【町】だから全員殺されちゃうんです。
【珠】めちゃくちゃですね…。
【町】その演技指導がスゴくて、こうやるんだよって「おかあちゃんいかないで~!」つって。演技指導するんですよ。
【山】それ、泣いてる子どもたちは?
【町】普通の子どもたちです。あ、自分の子どもにもさせてましたよ。マツコ・デラックスが。
【珠】もうむちゃくちゃな…。
【町】これは恐ろしいことですけど、この映画は最後の最後にですね、もう映画館で見たとき観客全員が、ほんっとに全員が声を出して泣くぐらいの、スゴい衝撃的なシーンが待ってます!
【山】えぇ~!? 見たいっ!!
【町】ほんとうに悪いやつは誰なのか! ほんとうに悪いやつは誰なのか!
これはアメリカ自体も虐殺した政府側に加担しているんで、そのぉ…大変政治的な映画なんですね。で…ほんっとに最後の最後にスゴい…もう衝撃的なシーンが…。
もう胸を打つっていうか、胸を打つってもんじゃなくて、胸をマグナムで撃つ映画です。
日本でもまもなく封切りです!
4月全国で順次公開(日時未定)!
「アクト・オブ・キリング」公式HP
http://www.aok-movie.com/
「アクト・オブ・キリング」予告編
http://www.youtube.com/watch?v=Mu68nD5QqP0
【映画の感想はこちら】
「アクト・オブ・キリング」★8
http://takushi.blog.jp/archives/51987922.html
【併せて読みたい】
こちらも町山さんの映画紹介です。
【これは酷い】サウジアラビアの問題点を描いた「少女は自転車に乗って」
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この記事へのコメント
1. Posted by 通りすがり 2014年04月05日 23:23
何故この様な幼稚なトークしかできないのでしょうか?
映画として日本でも興行成績上げたいのでしょうけど、娯楽目的で観そうな層も釣ろうとしている努力でしょうか?
当時、アメリカを日本も敵にすれば正解ですか?
日本サゲに何故誘導するのかと。
某小説でしょ。当時の日本は日本人だけの国ではなかった。
町山氏の祖父は戦地へ行ったのでしょうか?身内から直に先の戦争の話を聞いた経験はないのでしょうか。
墓場まで黙って亡くなって行った親も多いのです、その心中を想像できますか?
映画として日本でも興行成績上げたいのでしょうけど、娯楽目的で観そうな層も釣ろうとしている努力でしょうか?
当時、アメリカを日本も敵にすれば正解ですか?
日本サゲに何故誘導するのかと。
某小説でしょ。当時の日本は日本人だけの国ではなかった。
町山氏の祖父は戦地へ行ったのでしょうか?身内から直に先の戦争の話を聞いた経験はないのでしょうか。
墓場まで黙って亡くなって行った親も多いのです、その心中を想像できますか?
2. Posted by mm 2014年04月08日 17:40
ブログ主さま、コメントの方への反応ですみません。通りすがり様、あなたのコメントの方が感情的で幼稚です。娯楽目的で見そうな層を釣ろうとか、日本下げだとか、あなたが町山氏のトークに対してそんな感想しか持ちえないのが残念です。
この9月30日事件はインドネシア国内でも長らくタブーであったために真相が明らかではありませんが、背後に国際政治が大きく影響しているということは国内外の多くの研究で指摘されています。重要なのは、当時加害者側であった人が事件について語っていること、そして映画を製作した側も、加害者側と被害者側がなぜこの事件が起きたのかについて冷静に話し合うことこそが重要だと考えていることです。
私たち日本人が、ポルポトの虐殺を知っているのにこの事件について知らないのは、当時の日本が、事件の黒幕であると思われるアメリカを批判できない立場だったことが関係しています。その善悪の判断は別として、そういう立場に当時の日本があったということだけは自覚しておいた方がいい。
町山氏の口調が激しいのは、映画の試写会でこの虐殺を経験したデウィ夫人がその経験を語ったにもかかわらず、マスコミがそのことを全然取り上げないどころか、芸能ネタにすり替えた、ということへの怒りもあったと思います。
この9月30日事件はインドネシア国内でも長らくタブーであったために真相が明らかではありませんが、背後に国際政治が大きく影響しているということは国内外の多くの研究で指摘されています。重要なのは、当時加害者側であった人が事件について語っていること、そして映画を製作した側も、加害者側と被害者側がなぜこの事件が起きたのかについて冷静に話し合うことこそが重要だと考えていることです。
私たち日本人が、ポルポトの虐殺を知っているのにこの事件について知らないのは、当時の日本が、事件の黒幕であると思われるアメリカを批判できない立場だったことが関係しています。その善悪の判断は別として、そういう立場に当時の日本があったということだけは自覚しておいた方がいい。
町山氏の口調が激しいのは、映画の試写会でこの虐殺を経験したデウィ夫人がその経験を語ったにもかかわらず、マスコミがそのことを全然取り上げないどころか、芸能ネタにすり替えた、ということへの怒りもあったと思います。
3. Posted by さとう 2014年04月11日 18:26
文字おこしありがとうございます。この映画を検索してるうちにたどりつきました。マスコミとは何か?日本人は良く知るべき。色々な意味で。
4. Posted by GanzHerut 2014年04月19日 17:11
初めまして
こちらの投稿を
リンクさせて頂いたのですが
宜しいでしょうか?
問題がございましたら
お知らせ下さい。
こちらの投稿を
リンクさせて頂いたのですが
宜しいでしょうか?
問題がございましたら
お知らせ下さい。
5. Posted by 日本 2014年04月30日 21:02
ブログ主さんの思想は判りませんが町山氏の言葉にいくつかおかしな思想が混じっているので訂正します。
・町山氏が例えに出している「海と毒薬」は小説でありドキュメンタリーではない。
その【小説】に出てくる元日本兵の話は事実かどうか判らない。
・町山氏の下記疑問への答え。
「逆に日本が勝っていたらどうなっていたんだろうって気持ちもすごいあるんですよ。」
日本が戦争に勝っていたらアジア地域は平和な国になっていたと思う。
理由は、当時日本が統治していた台湾や朝鮮半島、パラオなどを見れば判る。
また世界で初めて人種平等条約を提案したのは日本、否決したのは欧米である。
・町山氏の言う「ほんとうは、やらせた奴らがいるわけですよ。上の方に。」というのは間違い。
東京裁判で死刑となった松井石根大将は「軍紀ヲ緊粛スヘキコト」「支那人ヲ馬鹿ニセヌコト」など軍紀の粛正に厳しかった。
・町山氏が例えに出している「海と毒薬」は小説でありドキュメンタリーではない。
その【小説】に出てくる元日本兵の話は事実かどうか判らない。
・町山氏の下記疑問への答え。
「逆に日本が勝っていたらどうなっていたんだろうって気持ちもすごいあるんですよ。」
日本が戦争に勝っていたらアジア地域は平和な国になっていたと思う。
理由は、当時日本が統治していた台湾や朝鮮半島、パラオなどを見れば判る。
また世界で初めて人種平等条約を提案したのは日本、否決したのは欧米である。
・町山氏の言う「ほんとうは、やらせた奴らがいるわけですよ。上の方に。」というのは間違い。
東京裁判で死刑となった松井石根大将は「軍紀ヲ緊粛スヘキコト」「支那人ヲ馬鹿ニセヌコト」など軍紀の粛正に厳しかった。
6. Posted by P 2014年05月14日 04:03
「その時感じた不快感」を表現するにあたって元がドキュメンタリーであろうがなんであろうが関係はない。
「逆に日本が」というのはその後の世界がどうなったか、ではなくて戦争中に行われた殺害がどのように捉えられるようになったか、という話
「軍紀の粛清に厳しい幹部がいた」ことは「上の方にやらせた奴がいる」ということの否定にはならない。
さらにこの主題は軍紀に外れたことだけを取り上げているのではない。
では軍人一人ひとりが勝手に戦争行動を行ったのか?
思想に目が曇って盛大に読み間違いをしているようです。
「逆に日本が」というのはその後の世界がどうなったか、ではなくて戦争中に行われた殺害がどのように捉えられるようになったか、という話
「軍紀の粛清に厳しい幹部がいた」ことは「上の方にやらせた奴がいる」ということの否定にはならない。
さらにこの主題は軍紀に外れたことだけを取り上げているのではない。
では軍人一人ひとりが勝手に戦争行動を行ったのか?
思想に目が曇って盛大に読み間違いをしているようです。