2013年08月15日

「タモリ論」を読みました。


かなり酷評を集めているようですが、なるほど読み終わってみて酷評したくなるのもわかりました。
中身がない。

しかし著者の樋口毅宏が目指したのはまさにそれだったのかなと。

作家の吉田修一「パレード」の一文を引用していたことから読みとれる。
「笑っていいとも!」ってやっぱりすごいとわたしは思う。一時間も見ていたのに、テレビを消した途端、誰が何を喋り、何をやっていたのか、まったく思い出せなくなってしまう。「身にならない」っていうのは、きっとこういうことなんだ。

つまり、一冊まるっと「笑っていいとも!」的な本を作るのが目的だったんだと。
それならばこの本は成功しているともいえる。
耐えきれないほどつまらない本というわけではないのだし、どこから読み始めても支障はないのだし。
「笑っていいとも!」と同じ効果がある本で、読み終わったいま、何も残っていない。

でもね、「タモリ論」って書名をつけたからには酷評が集まるのも当然で、樋口毅宏的には大成功なのだとしても、読み手としてはもう少し深い考察を求めるのもまた当然なわけで。
番組でいえば「タモリ倶楽部」「ブラタモリ」はタモリの考察には必須だと思うのですが、「タモリ倶楽部」という番組名は出て来るものの内容は一切出ないし「ブラタモリ」については番組名すら出ない。「笑っていいとも!」一本でいくのは読み手として望んでいないだろうし、金返せ!と叫びたくもなるのが人間です。

樋口毅宏に問題があったとは思いませんが、新潮新書の担当者さん、ほんとにいいの? とは思いました。

わたしの感想文にも内容がありませんがね。

座頭魄市orejiru at 10:31│コメント(0)トラックバック(0) │ このエントリーをはてなブックマークに追加

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