2017年01月

2017年01月29日

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はじめて読んだピエール・ルメートルは
「その女アレックス」
2014年に読んだBest10のうちの1冊に選んだ。
http://takushi.blog.jp/archives/52013331.html
「その女アレックス」はヴェルーヴェン警部シリーズの2作目にあたり、「悲しみのイレーヌ」の続編ではあるのだが、前作を読まずとも支障はない。単体作品としても十分に楽しめる。実際のところ、先に翻訳されたのは「その女アレックス」(2014年)が先で、アレックスが国内のミステリー賞を総なめに出来たからこそ「悲しみのイレーヌ」(2015年)が刊行された。

しかし、支障はないというのは嘘になる。
支障はある。
あった。

結局「悲しみのイレーヌ」を読むはめになり、その後さらに「その女アレックス」を再読することになったのだから。

そして、支障とは「再読」のことではなく、ピエール・ルメートル仕掛けの中毒患者となってしまうことだ。

当然、読者はピエール・ルメートルが提供する情報だけを頼りに、物語の全体像を編みあげてゆく。ピエール・ルメートルは、時には無慈悲に、時にはサービス旺盛に、情報提供の量を完璧に制御しながら読者を導いてゆく。悲劇的な結末を予感しながら。そして、悲劇の瞬間を待ちわびている心に震えながら。


最初の写真は2017年1月現在翻訳済みのピエール・ルメートル全5タイトル。2016年10月に「傷だらけのカミーユ」が刊行され、ヴェルーヴェン警部シリーズ3部作は完結となった。しかし、他にもヴェルーヴェン警部の中編2作が未翻訳となっている。すでに翻訳作業に入っているのか、既刊の売れ行きを見つつ検討中かは分からないが、次のピエール・ルメートルを読む日が待ち遠しい。

未読の方は「悲しみのイレーヌ」から是非。
総員、衝撃に備えよ。




その女アレックス (文春文庫)
ピエール ルメートル
文藝春秋
2014-09-02



傷だらけのカミーユ (文春文庫) (文春文庫 ル 6-4)
ピエール・ルメートル
文藝春秋
2016-10-07



死のドレスを花婿に (文春文庫)
ピエール ルメートル
文藝春秋
2015-04-10



天国でまた会おう(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ピエール ルメートル
早川書房
2015-10-16



座頭魄市orejiru at 13:29│コメント(0)トラックバック(0)  | このエントリーをはてなブックマークに追加

2017年01月13日

去年のリオオリンピック開催期間に、オリンピックに関連した本でも読もうと思いたって出会った本です。

ヒトラーのオリンピックに挑んだ若者たち: ボートに託した夢
ダニエル・ジェイムズ・ブラウン
早川書房
2014-09-25


ボートの知識はゼロですが、十分に面白かった!

30年代アメリカの生活がいかに厳しいものだったのか、また、ヒトラーがオリンピックをプロバガンダに利用していたドイツ政権がいかに厳しいものだったのかがよくわかる本でした。
貧しい暮らしの中で、必死に生きる若者たちが、ボートに夢を乗せて進んでいく姿がとても美しく描かれていて、知識が全くなくてもボート競技の素晴らしさを味わえます。

原題は「THE BOYS IN THE BOAT」。
かっこいいなぁ。

分厚い本なので多少時間がかかりますが、重厚なノンフィクションを欲している人には是非お勧めしたい作品です。

座頭魄市orejiru at 14:32│コメント(0)トラックバック(0)  | このエントリーをはてなブックマークに追加

2017年01月08日

試験勉強にも役立ちそうな地図の紹介。

日に日に複雑化していく世界情勢を地図に落としこんで視覚化。直感的に世界情勢を把握するのに最適な地図です。

増補改訂版 最新 世界情勢地図
パスカル・ボニファス
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2016-09-30


4部構成。

第1部 
過去における大きな転換点
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地球で栄えた最初の人類が、どのように移動していったのかを視覚化した地図。

第2部 
グローバル化した世界についてのさまざまな解釈
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アメリカを中心とした一極世界を視覚化した地図。

第3部 
世界のさまざまなデータ
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1990年-2005年の森林面積の推移を視覚化した地図。

第4部 
それぞれから見た世界
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日本から見た世界情勢地図(フランス人目線)。

変化が激しい世界情勢は、年々加速しているので、本書の寿命もそう長くはないと思いますが、現在の情勢をざっくり頭に入れるにはうってつけの本。

座頭魄市orejiru at 10:23│コメント(0)トラックバック(0)  | このエントリーをはてなブックマークに追加

2017年01月07日

地図の物語 人類は地図で何を伝えようとしてきたのか
アン・ルーニー
日経ナショナルジオグラフィック社
2016-07-15


先日の記事で紹介した「地図のたのしみ」http://takushi.blog.jp/archives/52075041.htmlに絡めてもう一冊おすすめ本。

「地図のたのしみ」は脳がよろこび、「地図の物語」は目がよろこぶ。

古くは25000年前にマンモスの牙に刻まれた地図から始まり、NASAによって撮られた最新の衛星写真まで、140点以上の図版を網羅している。どの図版もとびきりうつくしい。
構成は全5章。各章の中から1枚ずつピックアップ。

第1章 われらが大地
初期の地図は居住者たちによって作られた
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25000年前にマンモスの牙に刻まれた模様。これが地図かどうかは専門家の中でも意見が分かれるようだが、仮に地図であるならば最古の地図となる。地図のはじまりは「わたしは今どこにいるのか」

第2章 山海を越えて
旅や移動を収録した地図の数々
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1497年に描かれた聖地巡礼図。ベネチアからキルケラ島、メトニ港、ロードス島と航海して、パレスチナへ向かった旅の記録となる。写真では見づらいが右端に見えるのが聖地の終着点エルサレムが描かれている。

第3章 探検と領土拡大
「探検」がもたらした地図のさらなる拡大
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個人的にロマン溢れるこの地図はとくにお気に入り。1595年のもの。北極圏がはじめて描かれた地図で、中央に黒い巨大な岩がある。当時は北極に向かって4本の川が流れ込んでいて、渦を巻きながら地球の奥底へ吸い込まれていると考えられていたらしい。最高や!

第4章 世界観の変客
世紀を跨いだ遠方への旅が地図を完成に導いた
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1450年の地図。西洋で初めて「日本(当時の表記はcimpagu)」が描かれた。白人に居場所がバレて600年経った。

第5章 主題図の登場
題材・使用目的を絞った現代の地図
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1815年の地層地図。聖書では地球誕生が6000年前との記述だったが、19世紀にはじめて地層の調査がされ、どうやらこの地球にはもっと壮大な物語があることに気づき始めた人類。胸熱!


リビングに無造作に置いておき、子どもの目にとまるように仕向けるのもいい。これは冒険の書なのだ。宝箱のありかが描いてある地図を見るような目で、この世界を眺めてほしい。

座頭魄市orejiru at 14:33│コメント(0)トラックバック(0)  | このエントリーをはてなブックマークに追加

2017年01月04日

古本屋で見つけた一冊。

随分長い間、TVはほぼ「ブラタモリ」しか見ていないのですが、そうなると興味の方向も次第に偏りはじめ、こういったタイトルに目がいってしまうわけです。

地図のたのしみ (KAWADEルネサンス)
堀 淳一
河出書房新社
2012-03-23



目次を見ると「釜石線物語」の文字が。ページを捲ると故郷の地図が載っていて、その地図に見る考察を読みたく即購入。

後から知ったのですが、この本は地図好きの間ではバイブルとされている名著なようです。

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釜石港近辺の今昔地形図

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釜石ー遠野間の鉄道

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花巻市の大正時代の鉄道

故郷の章はもちろんのこと、全ての章がおもしろい本でした。地図をじっくり読み込み、その土地の風景を想像する。鉄道好きと地図好きの親和性が高いのは、理想の構図の鉄道写真を、事前に地図から高低差を読み解くことが出来るからなのかもしれませんね。地図が読めればいいショットが撮れるポイントの予想がつく。その答え合わせは最高に気持ち良さそう。

地図があれば家の中でも旅行が出来る。
地図はいいぞ。

座頭魄市orejiru at 09:00│コメント(0)トラックバック(0)  | このエントリーをはてなブックマークに追加
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