2016年04月

2016年04月19日

セラピスト
最相 葉月
新潮社
2014-01-31



若気の至りというか、10代から20代はじめの頃の僕はドロップアウト状態だった。その頃はへんな友人も多かったので、いろんな話が飛びこんできてたのだが、そのうちの一つが「精神科で気持ちが沈んで何も手につかないと言えば、いいお薬がもらえるよ」というもの。いたって心は健康ではあったが、そいつが言うには合法的に多幸感を味わえるのだと。結局お薬をもらい、錠剤を砕いて粉末状にし、鼻から吸い込むという行為に至るまで、一気に転がり落ちた。

15.6年も前の話なので、現在の精神薬の状況はわからないが、とにかく精神薬はけっこう(僕の体には)効く印象がある。粘膜から直接摂取すればそりゃ誰だって効くだろうって話でもあるが。


この本を読む前と読んだ後で、僕のなかで変わったのは、もしもこの先、心が病んでしまった自覚が生まれたら、まずは精神科医を訪ねる前にセラピストを訪ねてみようという考えに変わった。

「精神科医よりセラピストのほうが優れている」という意味ではない。薬の投与が必要な状態かどうかも含め、まずはじめに相談したいのはセラピストかな、という個人的な考えとして。

ただ、信頼できるセラピストに出会うまで5年かかると言われているように、セラピストとの相性が非常に重要なため、心が健康な今のうちに調べられることは調べておこうとも思った。自分の住む周辺にいるセラピストをリストアップし、どのような療法に取り組んでいるのかくらいは把握しておきたい。


座頭魄市orejiru at 11:41│コメント(0)トラックバック(0)  | このエントリーをはてなブックマークに追加

2016年04月18日

room

映画館で泣いたのは久しぶりです。

映画館という、人が大勢集まっている空間で涙をぽろぽろ流すのは、気恥ずかしさのほうが先にくるので、いつも自然にブレーキがかかるのですが、この映画においては抑えきれませんでした。映画館でなければ咽び泣いてしまうところです。ジャック役を演じたジェイコブ君の演技力がスゴい。ジェイコブ君はうちの息子と同い年なので、余計に感情移入してしまったのもあるかもしれません。

あらすじはこんな感じです。
施錠された狭い部屋に暮らす5歳の男の子ジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)と、母親ジョイ(ブリー・ラーソン)。彼女はオールド・ニック(ショーン・ブリジャース)によって7年間も監禁されており、そこで生まれ育った息子にとっては、小さな部屋こそが世界の全てだった。ある日ジョイは、オールド・ニックとの言い争いをきっかけに、この密室しか知らないジャックに外の世界を教えるため、そして自身の奪われた人生を取り戻すため、部屋からの脱出を決心する。

あらすじだけ聞くとサスペンスというか、ホラーというか、ダークな展開を想像してしまうんですけど、物語の序盤で意外にあっさりと脱出してしまうんです。7年もの地獄のような日々は描かれていないだけなので、「あっさり」という表現は適切ではないかもしれませんが、映画の尺で見た場合の「あっさり」です。そして物語は、想像していた「ルーム」とは全く別の、概念としての「ルーム」をあぶり出す展開に。ああ、そういう意味の「ルーム」だったのかと、その見事なストーリー展開に唸り、概念としての「ルーム」から、世界に飛び出していく子どもの純粋さと強さに、子を持つ全ての親たちは嗚咽するはずです。

2016年暫定ベスト。間違いなく2016年ベスト3には入ってくる映画。いいもん見た。

座頭魄市orejiru at 18:57│コメント(0)トラックバック(0)映画  | このエントリーをはてなブックマークに追加
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