2015年03月

2015年03月24日

一瞬の夏(上)
沢木耕太郎
新潮社
2013-07-01


一瞬の夏(下)
沢木耕太郎
新潮社
2013-07-01



勧められてから2年程経つでしょうか。木村政彦本(http://takushi.blog.jp/archives/51984872.html)を読んだことでジャイアント馬場本(http://takushi.blog.jp/archives/52021561.html)に手が伸びたように、先日読んだマイクタイソン自伝(http://takushi.blog.jp/archives/52015478.html)を経て、ようやく読みました。

カポーティの『冷血』(http://takushi.blog.jp/archives/51938437.html)から生まれたニュー・ジャーナリズムの影響をかなり強く受けていて、僕の好みど真ん中な本でした。最高。

ニュー・ジャーナリズムとは、それまでのジャーナリズムに求められていた客観性を捨てて、取材対象に積極的に関わり合うことで対象を濃密に描く手法のこと。

「一瞬の夏」はその手法を極限まで追求した結果、従来あるべき取材する側とされる側の境界線が溶けて消えてしまったような小説。


いまカシアス内藤はどうしてるのか気になって、検索かけてみたらホロリときた。

一瞬の夏、続いているんだな。

座頭魄市orejiru at 21:59│コメント(0)トラックバック(0)  | このエントリーをはてなブックマークに追加
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【あらすじ】
第2次世界大戦下の1939年イギリス、若き天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)はドイツ軍の暗号エニグマを解読するチームの一員となる。高慢で不器用な彼は暗号解読をゲーム感覚で捉え、仲間から孤立して作業に没頭していたが、やがて理解者が現れその目的は人命を救うことに変化していく。いつしか一丸となったチームは、思わぬきっかけでエニグマを解き明かすが……。

【感想】
「アメリカン・スナイパー」も「フォックスキャッチャー」も抜いて、私的2015年<暫定>ベスト映画。

ドイツ軍が誇る最強の暗号機エニグマは暗号パターンが159の後に0が18個(1垓5900京)もの組み合わせを生み出すんだそうです。10人が24時間調べ続けた場合、解読するのに2000万年かかる計算。しかも日付が変わる12時になると新しい暗号パターンに切り替わる。

毎日変わるんです。

このエニグマに挑んだのが天才数学者のアラン・チューリングという人物。

僕はチューリングという人物について何ひとつ知りませんでした。数学者やコンピュータ関係の職についてる者ならば知らない人はいないほど有名なそうです。彼の人生を知ると、チューリングは一般教養として知っておくべき人物だとすら思えます。歴史家の見解ではチューリングがエニグマを解読したおかげで戦争終結が2年は早まったとか。

なにより映画として素晴らしかった。

数字に対しては天才的だけど対人となるとかなり問題があるチューリング。対人認知や対人行動に著しい欠陥があるゆえにチームの中で孤立してしまう。しかし彼のよき理解者として途中からチームに加わったクラークが橋渡しとなりチームは団結していく。チューリング一人では越えられない壁をチームが団結することで乗り越えていく姿に熱くなる。

よくあるヒューマンドラマ。

だけれどドラマの中に時折挟み込まれるもう一つのストーリーがチューリングの少年時代のおはなしで、チューリング少年がなぜ数学、そして暗号に執着することとなったのかが解き明かされていくんです。彼が誰にも打ち明けることが出来なかったその秘密に、胸が引き裂かれるような気持ちでした。

ひいて見ればハッピーエンド。でもチューリングはひとり苦悩にまみれ孤独を深めていく。

彼に限らず、天才はいつもひとりぼっちなのかもしれません。

彼は少しでも幸せを感じることが出来たのでしょうか。僕にはわかりませんが、こうして彼の映画が生まれたことで、きっとこれが支えとなる人もたくさんいるでしょうね。

「イミテーション・ゲーム」が見事アカデミー賞脚色賞に選ばれました。脚本家グレアム・ムーアの授賞式でのスピーチが話題を呼んでいるようです。この映画がどれほどの思いで作られたのか、そしてどれほど素晴らしいか、スピーチからも伝わります。

短い時間ですが、僕には伝えたいことがあります。16歳の頃、僕は自殺を図りました。自分は変わり者で、他の人とは違い、居場所がないと感じたからです。

そして今、僕はここに立っています。だから僕はこの時間を、自分は変わり者だとか、他の人とは違うとか、どこにも居場所がないと感じている若者のために捧げたいと思います。

君の居場所はあります。僕が約束するよ。変わり者のままで、みんなと違うままでいいんだ。いつか君がここに立つ番が来た時には、どうか同じメッセージを次の人に伝えてください。どうもありがとう!


素晴らしい映画です。
こういう映画がきっと、心を豊かにするはずですよ。

座頭魄市orejiru at 13:30│コメント(0)トラックバック(0)映画  | このエントリーをはてなブックマークに追加

2015年03月18日

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ディアンジェロ、来日の噂が遂に現実に! サマーソニック2015出演で幻の初来日公演決定!

“ディアンジェロ 降臨!” – 先週、昨年末に発売されて以来大きな話題を呼んでいるディアンジェロの最新作、“ブラック・メサイア”の国内盤発売日に、所属レーベルの運営するツイッターオフィシャルアカウントから何の説明も無く出されたこのメッセージ。このメッセージを日本盤発売告知ととる人々、来日の報ととる人々・・・様々な憶測が憶測を呼び、“ディアンジェロ”の名が再びツイッターのタイムライン上を埋め尽くすこととなったが、本日遂にその真相が明かされた。ディアンジェロの20年という長いキャリアで初となる来日公演が、しかもサマーソニック2015への出演という形で発表されたのだ。なお、同じく今年のサマーソニックのラインナップの超目玉として発表され、ディアンジェロと同じく90年代から活動を続けてきた天才アーティスト/クリエイター、ファレル・ウィリアムスも、自身のツイッターで「ディアンジェロの”ブラック・メサイア“は紛れも無い天才の作品」と惜しみない賛辞を送っているだけに、この夏はこの二人の天才アーティストのツーショットが日本のどこかで見られる事も大いに期待される。

SUMMER SONIC 2015
http://www.summersonic.com/2015/


こいつは事件だ。ついに降臨されるとは…。

このニュースを僕がキャッチしたのは発信から一ヶ月経ってのことでした。これまで巡回先に音楽系ニュースサイトを組み込んでいませんでしたが、今回の件でかなり反省いたしました。読書の時間を捻出するためにインターネットの利用を自制しているのですが、ただでさえ少ない利用時間ではてなブックマークやtumblr覗いているのだからそりゃあアンテナに引っ掛からないですよね。

そういえば文化系トークラジオLife(http://www.tbsradio.jp/life/index.html)でも、先月「No Music, No Life?~音楽はいまどう聴かれているのか」をテーマに取り上げていて、そのなかで「ネットは情報過多になりすぎていて音楽の情報が埋もれやすくなっている。情報と、その情報を必要としている人をうまくマッチングさせる仕組みが必要」みたいな趣旨の発言があったのを思い出しました。

たしかに音楽系ニュースサイトを巡回から外した理由は、僕の求めている音楽情報は範囲が非常に狭いため、情報の多くがノイズとなってしまうからでした。趣味の合う適切なサイトがあるのかもしれませんが、あるとしてもまずそのサイトを見つけられていない状況です。

うまく自分好みの音楽情報を拾える術はあるんでしょうか。みんなどうしてるんでしょうね。気になります。


ディアンジェロのサマソニ出演(さらにファレル&ケミカルブラザーズがヘッドライナー!)と、今年のサマソニは好みにビタッと合致するわけでして、当然行きたい気持ちはあるんですがどうも気が重い。というのもここ数年は輪をかけて人ごみによる消耗が耐えられなくなってきているんです。たまの休日くらい家族と草、花、虫、鳥たちに囲まれてのんびり過ごしたいなんて考えるようになって。

サマソニは少し億劫だなと考えていたのですが、よくよく考えてみるとディアンジェロがサマソニのためだけに来日するわけがないと思ったんです。半分は願望なんでしょうけど。

恐らくはビルボードで。或いはブルーノートで単独もあり得るんじゃないかと、一度考えはじめたら根拠のない確信が生まれてきました。

よし、僕は贅沢にビルボードでディナーを楽しみつつディアンジェロを聞こう。

まだ先だけど念のためと思ってビルボード東京のサイトをチェックしてみると二度目のびっくり。

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ジョージ・クリントン&PARLIAMENT/FUNKADELIC

1960年代末からファンクの心臓部となってきた総称=P-FUNK。その軍団を率いる総帥がジョージ・クリントン。『マザー・シップ・コネクション』『ワン・ネイション・アンダー・ア・グルーブ』などに刻まれた、うねるように続くファンク・ビート、メッセージのこもった世界観、そして目で楽しむのが追い付けないほどの奇抜なステージとファッションまでもが、後のファンク/ヒップホップに多大な影響を与えてきた。まだまだ衰えを知らないファンクの総帥率いる総勢17名のファンクネスなステージを体感せよ!

http://www.billboard-live.com/


来月4/12(日),4/13(月)ファンクの神様が降臨するではありませんか!

この大事件をビルボード東京のサイトに直接アクセスするまで気づかなかったこの自分のしょっぱいアンテナよ。きっとずいぶんと前からアンテナは壊れていたんだろうね。情けない。

おそるおそる空席確認をしてみると運良くチケットを確保できました。

未だに席が若干空いていることに対する切なさを少しばかり感じつつも、ジョージ・クリントンの生演奏をついに聞ける日が訪れたという喜びに震えています。

夏のディアンジェロまで実現されてしまったら、少しばかり贅沢しすぎかもしれませんね。

ほんと、P-FUNK取りこぼさなくてよかった。

座頭魄市orejiru at 11:07│コメント(0)トラックバック(0)音楽  | このエントリーをはてなブックマークに追加

2015年03月17日

1991年、大宅壮一ノンフィクション賞に選ばれたのは井田真木子著「プロレス少女伝説」でした。しかし選考委員の中でただひとり受賞に反対し続けた方がいらっしゃいます。

立花隆さんです。

その選評はある意味ではとても素晴らしいものでした。

私はプロレスというのは、品性と知性と感性が同時に低レベルにある人だけが熱中できる低劣なゲームだと思っている。そういう世界で何が起きようと、私には全く関心がない。もちろんプロレスの世界にもそれなりの人生模様がさまざまあるだろう。しかし、だからといってどうだというのか。世の大多数の人にとって、そんなことはどうでもいいことである。

清々しいまでのこき下ろしですよね。

僕自身は、プロレスを観たことがほとんどなくって、実家暮らしの高校生までは夜9時以降のテレビは禁止でしたし、そもそもプロレスが好きな友達は周りにいませんでした。でも、不思議なものでレスラーの名前はいくつか知ってるんですよ。ジャイアント馬場にアントニオ猪木、武藤に天山、蝶野とか。挙げようと思えばもっと出てくる。ブッチャーにスタン・ハンセンなどの外国人レスラーもいくらかは。きっと「プロレス名場面」みたいな特集番組で、名シーンをダイジェストにまとめて見たのかもしれない。だって長州力の「おれは噛ませ犬なんかじゃない」も映像として頭のなかに記憶があるんだから。

でも、やっぱりプロレスを観たいと思ったことはなくて、それは決して立花隆のように品性と知性と感性が同時に低レベルにある人だけが熱中できる低劣なゲームだと見下してたわけではないんです。プロレスにはブック(台本)があって真剣勝負に見せかけたショーだと知っていたから、そんな興行に熱をあげるのが恥ずかしかったのかもしれない。ましてや10代なんて尖っているしね(笑)。分かっていながら熱をあげるのは負け、みたいに考えていたんでしょうね。

そんな僕が、書店で見つけた本がこれ。






当初の目的は増田俊也「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」「七帝柔道記」に続く「柔」三部作の完結篇「VTJ前夜の中井祐樹」が発売になったと知って、書店にいったわけです。

VTJ前夜の中井祐樹
増田俊也
イースト・プレス
2014-12-24



この本を買うはずだったんですが、隣に置かれていた「1964年のジャイアント馬場 」が目に飛び込んできました。装丁のインパクト大きいですよね。思わず手に取って目次を確認して、つぎに参考文献を確認してみるとそこに「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」があって。力道山は日本プロレスの父なのだから当然といえば当然なんだけど、プロレス史を全くといっていいほど分かっていない僕には木村政彦と力道山とジャイアント馬場がどうしても繋がらなくて、その場で読みだしたんです。

ここでようやく知ったんですよ。ジャイアント馬場が元プロ野球選手だったことも、力道山に弟子入りしたのがジャイアント馬場とアントニオ猪木だったことも。きほんのきも知らない僕は、ここらで昭和プロレス史を読んでみるのも悪くないと思い至って「1964年のジャイアント馬場 」のほうを買うことに。出費が重なっていたのもあって「VTJ前夜の中井祐樹」は次回買おうと保留にしました。

読みはじめてみるとこれがもうめちゃくちゃ面白い。

名前以外はなにも知らないアイコン化された人物たちに命が吹き込まれて、泥臭くそれでいて素晴らしい人生模様をみせる。たしかに世の大多数の人にとって、そんなことはどうでもいいことです。なにか得られるものがあるのかと言うと、多分なにもない。プロレスに人生を教わった感受性の豊かなおっさんは、恐らく海鮮料理屋の生け簀からでも人生を学べるに違いないのです。

プロレス用語で試合の台本を「ブック」と呼び、試合以外の抗争を「アングル」と呼んでいます。この呼び方からもわかるとおり、プロレスは読み物だったんですね。

そう考えてみると、これだけ長きにわたって繰り広げられている連続ドラマというのも珍しいですよ。柳澤健の他の本も読まねば。以下の2冊もめちゃくちゃ面白いらしいですね。楽しみがまた増えた!







座頭魄市orejiru at 11:37│コメント(0)トラックバック(0)  | このエントリーをはてなブックマークに追加

2015年03月14日

昨年からガーデニングに興味をもって、週末に暇をみつけては花屋を覗いて回るようになりました。

西荻窪〜吉祥寺エリアは個性的なディスプレイで出迎えてくれる花屋さんが多くてガーデニング好きにはたまらないエリアです。

回っているうちに遠出するようになり、そんな中で出会った自由ヶ丘のブリキのジョーロという花屋さんに僕は完全に惚れてしまいました。

ブリキのジョーロ http://buriki.jp/home/

昨年訪れて以来、毎月通っています。

植物に興味がある関東近郊の方なら是非一度は足を運んでみてほしいお店なんですが、遠くて行けない方でもだいじょうぶ。ブリキのジョーロのオーナーである勝地末子さんの本からでもアイデアを盗めます。





寄せ植えアレンジのアイデアに手順や
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最近人気のエアプランツも
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多肉植物やドライフラワーのアレンジまで多彩なテクニックを紹介しています。

ガーデニングに興味を持ったらぜったい手に入れておきたいオススメの一冊。


僕はエアプランツのカプトメドゥーサを気に入ったので、お気に入りの鉄の鳥かごにココヤシファイバーのお布団を作って飼っています。

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ドライフラワーも少しづつ増殖中。

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座頭魄市orejiru at 13:02│コメント(0)トラックバック(0)  | このエントリーをはてなブックマークに追加
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