2011年09月

2011年09月11日

映画「ブラック・スワン」鑑賞した。

2000年に同監督が制作した「レクイエム・フォー・ドリーム」はタランティーノ監督が“時代にとどめをさす”と発表した90年代代表作「パルプ・フィクション」に“とどめをさし”ゼロ年代代表作となったと個人的には思う。そんな怪物作品を生んだダーレン監督が自分自身の作品にさらに“とどめをさす”とは。

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注意したい点はこの作品、単品で鑑賞してしまうと“未完成”である点。
官能的部分やサスペンス要素の部分がよく取り上げられているけどそういう映画じゃない。
いやたしかに、前戯そのものといっていい程官能的だし、サスペンスではあるけど。
当初ダーレン監督の構想では2部構成で考えていた。
2008年発表の「レスラー」と「ブラック・スワン」はひとつの作品であったのだが、一本の作品にするにはあまりに長すぎるため2本に分けられている。資金繰りも厳しかった。監督は制作費25億ドルを要求したが、実際にはその半分も資金が集まらず、ナタリーポートマンはバレエレッスン費用も全て自腹で最終的にトレーラーも売るはめになったらしい。

ある者は「レスラー」を最低の芸術、「バレエ」を最高の芸術と評す。
映画では細かい点が対極に描かれている。
「レスラー」では男の世界「ブラック・スワン」では女の世界
「レスラー」では娘との関係に苦悩する父の姿
「ブラック・スワン」では母との関係に苦悩する娘の姿
「レスラー」では下流階級の世界を描き
「ブラック・スワン」では上流階級の世界を描く

共通するアイテムは“鏡”
どちらの作品も全編を通して執拗に“鏡”が配置されている。
「レスラー」ではどうしようもない程惨めな“現実”を映し出し
「ブラック・スワン」では狂いそうな程の“幻覚”を映し出す
あなたは“鏡”に何を見ますか?
“自分”ですか?
では“自分”とはなんですか?

“他人”を見たり“鏡”で自分を見たり“映画”を見たり、
それら“見る”という行為には、実は対した差はないという事に気がつく。

2つの世界を比べてみると不思議と共通世界に生きている。

最低の芸術と最高の芸術
それは“不完全”で。
それは“不透明”で。
それは“不格好”で。
とても“不器用”な。

「レスラー」のラストシーンと「ブラック・スワン」のラストシーン
この2つのラストシーンを比べて見た時、監督のメッセージが浮かび上がります。
合わせると4時間の大作になってしまいますが、時間がある方は是非通して鑑賞して下さい。
レビューの評価が低い人は軒並み片方の映画しか鑑賞してなさそうな感想ばかり
この2つは1つの作品である事の宣伝が足りないのか。

しかしそれもまた監督の狙いなのかも。
共通アイテムの“鏡”がやはりポイント

どう見るか。何を映し、感じるか。
それはすべて自分次第。

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座頭魄市orejiru at 17:41│コメント(1)トラックバック(0)映画  | このエントリーをはてなブックマークに追加
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