2015年04月28日
帯にはこう書いてある。
もはや、フィクション、
ノンフィクションの区別に意味はない。
ここに、圧倒的物語が存在する。
それがすべてだ。
僕は山をやっていないので知らなかったが、知り合いの山をやっている数人にクライマー山野井泰史・妙子夫妻について尋ねてみると、口を揃えて「知らない人はいないよ」と言って、愚問を投げかけた僕をいなすように笑った。
それは、フィクション・ノンフィクション、というカテゴリで語られる物語ではなかった。もはや山野井夫妻の物語は、山をやる者たちの伝説なのだ。
山野井泰史が挑んだ山(壁と呼ぶべきか)がNAVERまとめにあるので一度ご覧あれ。これまでどんな山に登ってきたのか、彼の選択の異様さにすぐ気が付くはず。
山野井泰史氏が挑んだ山、大岩壁まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2136559108981901601?&page=1
沢木耕太郎「凍」は、山野井夫妻がヒマラヤの高峰ギャチュンカンに挑んだ時の物語だ。難易度の高いギャチュンカン北壁の登攀に成功するも、下山中に遭難、そして奇跡の生還までの物語。
下山中に雪崩が直撃してしまい、妙子夫人は崖から50Mも滑落し宙吊り状態に。泰史も雪崩を受け視力を奪われてしまう。零下30度の世界で身動きが取れなくなってしまう二人。極限状態で泰史が取った行動に震える。
手袋をはめたままでは、氷壁の隙間にロープを固定するためのくさびを打つことが出来ないと判断した泰史は、手袋を捨て素手で隙間を探していく。
そして隙間を見つけると、失ってもいい指を選び、指の上からくさびを打つ。重度の凍傷で感覚などとっくにない。その指を引き換えに固定されたくさびを得る。一本、また一本と。
両手10本、両足10本。夫婦併せて40本。
山野井夫妻の失った指の数は28本だ。
それほどの思いをして山野井夫妻は何を失い、何を得たのか。
命令形で言おう。
読め。
震えながら、かじかんだその指で。
凍えながら、ページをめくれ。
2015年04月26日
2014年7月1日から始めた体作りも、あと3ヶ月で1年を迎える。当時(http://takushi.blog.jp/archives/51995309.html)あれだけ億劫だったランニングも、すっかり習慣的な“入浴”や“歯磨き”と同列に捉えるようになった。
体脂肪20%から1年で体脂肪1桁まで落とすのを目標に走り続け、現在は11%台にまで到達した。
けれどもここにきて完全に停滞してしまった。
走れども走れども、体脂肪落ちてはいかず。数字は11%と12%の間を居心地良さそうに腰を落ち着けてしまった。ゆらゆらと揺れながら。
生活習慣を見直して、改善できそうなものは手当たり次第に修正してここまできたが、お昼ご飯は好きなものを食べる(但しラーメンには規制をかけて)という、ある種の「主義」といってもいい部分にまでメスをいれて、見直していく必要に迫られた。
「ランチくらい好きなもの好きなだけ食ってやる主義」を曲げるしかない。
そんなわけで、図らずも「弁当男子」というサードウェーブ系な流れに呑み込まれていく展開となってしまったのだが、せっかく弁当を作るのだから、他に付加価値をつけてその過程を楽しみたいと思い、弁当素人の成長記録を残そうと決めた。そして、せっかくやるのだったら3ヶ月なんて半端に取り組むのではなく、とことんやってみる。
1000個。
弁当を作ったことのない男性が1000個の弁当を作るとどれくらい成長するのか。足掛け5年の1001個目の弁当を妻と息子のために作ってあげる。
これならきっと最後まで楽しめる。
では、始めます。
No.1
No.2
No.3
No.4
No.5
【ひとこと】
やっぱり弁当おかずの王様「からあげ」から。近所で国産地鶏のもも肉が2kg単位の購入で100g68円というブラジル産鶏も驚きの価格で買えた。1kgを冷凍して、500gを醤油、日本酒、ごま油、にんにくしょうがで仕込み、500gをヨーグルト、オリジナル7種のミックススパイスで仕込んだ。一人の弁当用としては仕込すぎ。しばらくからあげが続く。失敗(味はいい)。仕込みは多くて300gで止めておこう。
弁当箱を持っていないので、息子が幼稚園の頃使っていた小さい弁当箱を2個拝借。秋田の曲げわっぱが欲しい。でもその前に腕をあげなければ。
体脂肪20%から1年で体脂肪1桁まで落とすのを目標に走り続け、現在は11%台にまで到達した。
けれどもここにきて完全に停滞してしまった。
走れども走れども、体脂肪落ちてはいかず。数字は11%と12%の間を居心地良さそうに腰を落ち着けてしまった。ゆらゆらと揺れながら。
生活習慣を見直して、改善できそうなものは手当たり次第に修正してここまできたが、お昼ご飯は好きなものを食べる(但しラーメンには規制をかけて)という、ある種の「主義」といってもいい部分にまでメスをいれて、見直していく必要に迫られた。
「ランチくらい好きなもの好きなだけ食ってやる主義」を曲げるしかない。
そんなわけで、図らずも「弁当男子」というサードウェーブ系な流れに呑み込まれていく展開となってしまったのだが、せっかく弁当を作るのだから、他に付加価値をつけてその過程を楽しみたいと思い、弁当素人の成長記録を残そうと決めた。そして、せっかくやるのだったら3ヶ月なんて半端に取り組むのではなく、とことんやってみる。
1000個。
弁当を作ったことのない男性が1000個の弁当を作るとどれくらい成長するのか。足掛け5年の1001個目の弁当を妻と息子のために作ってあげる。
これならきっと最後まで楽しめる。
では、始めます。
No.1
No.2
No.3
No.4
No.5
【ひとこと】
やっぱり弁当おかずの王様「からあげ」から。近所で国産地鶏のもも肉が2kg単位の購入で100g68円というブラジル産鶏も驚きの価格で買えた。1kgを冷凍して、500gを醤油、日本酒、ごま油、にんにくしょうがで仕込み、500gをヨーグルト、オリジナル7種のミックススパイスで仕込んだ。一人の弁当用としては仕込すぎ。しばらくからあげが続く。失敗(味はいい)。仕込みは多くて300gで止めておこう。
弁当箱を持っていないので、息子が幼稚園の頃使っていた小さい弁当箱を2個拝借。秋田の曲げわっぱが欲しい。でもその前に腕をあげなければ。
2015年04月24日
プロレスを読もう。
調べるとほぼ確実に名前が挙がってくるのが「プロレス少女伝説」だ。絶版となっていてamazonでは2015年4月現在10000円の値がついている(kindle版で¥432で購入できる)。
著者の井田真木子を調べてみると日本におけるノンフィクションは井田以前、井田以後と著者を軸に明確に分けられるほど影響を与えた作家のようだ。それほどの作家であるのになぜ絶版なのか。「プロレス少女伝説」だけではない。井田真木子の全作品が絶版なのだから不思議な話だ。
こうして調べているうちに「プロレス少女伝説」を読みたいという思いは、いつのまにやら「井田真木子」を読みたいという欲望へと取って代わった。
2014年刊行された「井田真木子 著作撰集」
600頁に近いボリュームに2段組みでびっしりと文字が埋まっている読み応えのある本。収録されているのは「プロレス少女伝説」「同性愛者たち」「かくしてバンドは鳴りやまず」の長編3本他エッセイ12篇。
3000円を超える値段も、単行本5冊分もあろう分量を考えると良心的。
ともかく、素晴らしい内容だった。
造本も含めていい本。
この著作撰集の仕事に深く感動して、出版元の里山社をネットで検索したら、マガジン航(http://magazine-k.jp/)の連載をみつけた。http://magazine-k.jp/category/series/hon-wo-dasu-made/
まだ誕生して間もない小さな出版社のようだが、分かりやすいイメージで言うと中央線カルチャー的な匂いのする出版社に成長しそうな、今後が楽しみな出版社だ。そして僕には井田真木子と里山社のその社会に対する姿勢はどこか共鳴しているように感じる。
井田真木子の第2集も入手。
このあとの楽しみ。
調べるとほぼ確実に名前が挙がってくるのが「プロレス少女伝説」だ。絶版となっていてamazonでは2015年4月現在10000円の値がついている(kindle版で¥432で購入できる)。
著者の井田真木子を調べてみると日本におけるノンフィクションは井田以前、井田以後と著者を軸に明確に分けられるほど影響を与えた作家のようだ。それほどの作家であるのになぜ絶版なのか。「プロレス少女伝説」だけではない。井田真木子の全作品が絶版なのだから不思議な話だ。
こうして調べているうちに「プロレス少女伝説」を読みたいという思いは、いつのまにやら「井田真木子」を読みたいという欲望へと取って代わった。
2014年刊行された「井田真木子 著作撰集」
600頁に近いボリュームに2段組みでびっしりと文字が埋まっている読み応えのある本。収録されているのは「プロレス少女伝説」「同性愛者たち」「かくしてバンドは鳴りやまず」の長編3本他エッセイ12篇。
3000円を超える値段も、単行本5冊分もあろう分量を考えると良心的。
ともかく、素晴らしい内容だった。
造本も含めていい本。
この著作撰集の仕事に深く感動して、出版元の里山社をネットで検索したら、マガジン航(http://magazine-k.jp/)の連載をみつけた。http://magazine-k.jp/category/series/hon-wo-dasu-made/
まだ誕生して間もない小さな出版社のようだが、分かりやすいイメージで言うと中央線カルチャー的な匂いのする出版社に成長しそうな、今後が楽しみな出版社だ。そして僕には井田真木子と里山社のその社会に対する姿勢はどこか共鳴しているように感じる。
井田真木子の第2集も入手。
このあとの楽しみ。
2015年04月18日
【あらすじ】
被告人大出俊次(清水尋也)の出廷拒否により校内裁判の開廷が危ぶまれる中、神原和彦(板垣瑞生)は大出の出廷に全力を尽くす。同様に藤野涼子(藤野涼子)も浅井松子(富田望生)の死後、沈黙を続ける三宅樹理(石井杏奈)に証人として校内裁判に出廷するよう呼び掛ける。涼子は柏木卓也(望月歩)が亡くなった晩、卓也の自宅に公衆電話から4回の電話があったと知り……。
【感想】
前編が悪くない仕上がりだっただけに、落胆は大きかったです。後篇で中学生の裁判“ごっこ”を覆す仕掛けが用意されてるとばかり思っていたのですが、最後まで裁判“ごっこ”が続いてしまってる。お金と時間を贅沢に使った、文化祭での舞台劇を見たような気分です。
これ、原作はいいんだろうなぁ。でも、この映画見たあとに原作を取る気にはどうもなれない。なんだかとても残念なことをしてしまった気分になって落ち込みます。
これといって書くこともないので、おしまい。
2015,4,12(日)
ビルボード東京でジョージ・クリントン&PARLIAMENT/FUNKADELICのライヴを観てきた。
上の写真は全盛期のもの。
あくまでファンク。痺れます。
僕は大概HIPHOPを聴いていることが多いのですが、根っこでは「ファンク」しているかどうかをとても大事にしています。
僕の好みの源流にはジョージ・クリントンがどっしり構えて佇んでいる。
今回、初めて生のジョージ・クリントンを聴けるということで、朝はいつもより早めに起きてジョギングを10kmこなしてからシャワーを浴び、ファンカデリックの音楽を聴きながら部屋の掃除をして、起きてきた息子と遊んで気持ちを整えてからライヴに臨みました。出掛けに妻からは「明日から奇抜なファッションしたくなるかもね」と言われて「いや、もう36歳になるのだから」と答えたものの、御歳73の総帥ジョージ・クリントンの奇抜なライヴに行く直前に36歳という年齢を大人の数字として出してしまった自分の子どもっぽさに思わず苦笑い。
昂る気持ちにブレーキを踏みながらビルボード東京へ向かう電車の中で、全盛期をとうに過ぎたジョージ・クリントンに今更ながら会おうとしている僕は、正しい選択をしたのだろうかという不安がよぎった。でも、そんな疑問こそ今更だよなとまた苦笑い。
ビルボードに到着して席につき、ラムチョップのローストとヒューガルデンホワイトを注文して食事を楽しみながら開演を待つ。
時間。暗転。総帥、降臨。
眼前にジョージ・クリントンがいる。
それだけで十分だった。
チケット代の元を取れた。
肝心の音に対する感想はと聞かれると、思い出しても苦笑い。ジョージ・クリントンに対して使う言葉として正しいとは思えないけれども、「ファンク」しきれていなかった。少なくとも4.12のライヴは失敗に終わったと思う。それはP-Funkの残り香だった。
それでも会えてよかった。ほんとに。
ライヴ終了後、購入したTシャツは今回のライヴTシャツではなく、PARLIAMENT全盛期のアルバムジャケットTシャツ。
ああ、そうそう。ライヴが始まって30分くらい経過したあたりで、内田裕也が会場に入ってきた。ビールを注文してちびちび飲みながらジョージ・クリントンを眺め、15分程見たあとに退場していった。これまた随分と退散が早いなって思ってたら、ライヴが終了して会場を出ようと出口に向かうとそこに内田裕也が座ってビールを飲んでた。ずっとそこで飲んでたのか。
内田裕也75歳、ジョージ・クリントン73歳のライヴを見に行くの巻。
ビルボード東京でジョージ・クリントン&PARLIAMENT/FUNKADELICのライヴを観てきた。
上の写真は全盛期のもの。
あくまでファンク。痺れます。
僕は大概HIPHOPを聴いていることが多いのですが、根っこでは「ファンク」しているかどうかをとても大事にしています。
僕の好みの源流にはジョージ・クリントンがどっしり構えて佇んでいる。
今回、初めて生のジョージ・クリントンを聴けるということで、朝はいつもより早めに起きてジョギングを10kmこなしてからシャワーを浴び、ファンカデリックの音楽を聴きながら部屋の掃除をして、起きてきた息子と遊んで気持ちを整えてからライヴに臨みました。出掛けに妻からは「明日から奇抜なファッションしたくなるかもね」と言われて「いや、もう36歳になるのだから」と答えたものの、御歳73の総帥ジョージ・クリントンの奇抜なライヴに行く直前に36歳という年齢を大人の数字として出してしまった自分の子どもっぽさに思わず苦笑い。
昂る気持ちにブレーキを踏みながらビルボード東京へ向かう電車の中で、全盛期をとうに過ぎたジョージ・クリントンに今更ながら会おうとしている僕は、正しい選択をしたのだろうかという不安がよぎった。でも、そんな疑問こそ今更だよなとまた苦笑い。
ビルボードに到着して席につき、ラムチョップのローストとヒューガルデンホワイトを注文して食事を楽しみながら開演を待つ。
時間。暗転。総帥、降臨。
眼前にジョージ・クリントンがいる。
それだけで十分だった。
チケット代の元を取れた。
肝心の音に対する感想はと聞かれると、思い出しても苦笑い。ジョージ・クリントンに対して使う言葉として正しいとは思えないけれども、「ファンク」しきれていなかった。少なくとも4.12のライヴは失敗に終わったと思う。それはP-Funkの残り香だった。
それでも会えてよかった。ほんとに。
ライヴ終了後、購入したTシャツは今回のライヴTシャツではなく、PARLIAMENT全盛期のアルバムジャケットTシャツ。
ああ、そうそう。ライヴが始まって30分くらい経過したあたりで、内田裕也が会場に入ってきた。ビールを注文してちびちび飲みながらジョージ・クリントンを眺め、15分程見たあとに退場していった。これまた随分と退散が早いなって思ってたら、ライヴが終了して会場を出ようと出口に向かうとそこに内田裕也が座ってビールを飲んでた。ずっとそこで飲んでたのか。
内田裕也75歳、ジョージ・クリントン73歳のライヴを見に行くの巻。
2015年04月14日
【あらすじ】
ヒーローに憧れるドラえもん、のび太、ジャイアン、スネ夫、しずかは、ドラえもんのひみつ道具“バーガー監督”を使い、ヒーロー映画を撮影することに。すると、地球に不時着したポックル星人の保安官アロンがドラえもんたちを本物のヒーローと勘違いしたことで、5人は宇宙へ行く羽目に。そのポックル星では宇宙海賊による恐怖の計画が着々と進められていた。そんな状況を目の当たりにしたドラえもんたちは、宇宙海賊と戦うことを決意する。
【感想】
この前は「STAND BY ME ドラえもん」でしたが、それと比較して語られることで評価はかなり低いみたいですね。あれはドラえもん好きのおっさんおばさんが集まってのお祭りだろうに。比較する作品でもないと思うのですが。それよりも「STAND BY ME ドラえもん」のような作品がもてはやされて「映画」として消費されている現状に、映画の(広義的には物語の)未来が心配になるのは僕だけでしょうか。
僕は今作も十分に楽しめました。ここがあーだ、あそこがこーだみたいなのは特にないですけどうちの子も喜んでて、それで十分満ち足りた気持ちになれました。自分が子ども時代に夢を見せてくれたドラえもんが今もこうして子どもに夢を見せてくれているなんて、ちょっとした奇跡ですよね。
しかしドラえもんは新作が出るたび「しずかちゃん」がブラッシュアップされていて、どんどん可愛くなっていきますね。昔のしずかちゃんのスカートはもっとこう生地に厚みがあってパリッとしてたはずなのに最近はふわっふわじゃないですか。ポリエステルのスカートから綿100%のスカートに変えたのかな。この調子でどんどん可愛らしくなってしまうと、10年後には「女の子」から「女」になってしまいそうだ。でも10年後といったら僕は46歳です。その歳でしずかちゃんがどうこうなんてインターネットに書き込んでいたら非常にまずいですね。僕もちゃんとブラッシュアップしていかないと。
2015年04月10日
書評サイトHONZ(http://honz.jp/)が選ぶ2014年のベスト10に入った「寄生虫なき病」を読んだ。HONZが2014年に選んだ10冊の中で僕が読んだのはこれが4冊目。
こいつはすごい本。
ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」で人類と病原菌の関係性を学んだ人に(そしてあの本に興奮を覚えた人に)薦めたい1冊。
アトピーやアレルギーなんてものは昔はなかった。例えばアトピーに関しては本来皮膚には微生物がたくさん寄生していて共存関係にあったのだが、必要以上に清潔にすることで微生物が不在となり代償として免疫力が低下してしまった。そんな現代人特有の病気だって話を聞いたことがある人も多いはず。
僕自身、小学生の頃は重度のアトピーに悩まされて、週に1度、車で1時間半かけて峠を越えて、となり町の有名な皮膚科の先生のところまで通っていた。おかげですっかり良くなったのだが、今でも年に1度、冬が来るたびに皮膚が数枚べろべろと剥がれ落ちて脱皮をとげる体のままだ。
問題は息子のほうで、アトピーに加えアレルギーを抱えている。卵。大豆。乳製品全般。卵に関しては数値が高く、食べると死亡リスクがある数値だと注意を受けた(6歳となった現在は大豆を克服、チーズを克服、卵の黄身を克服と、徐々に改善を見せている)。
友達が食べているおいしそうなお菓子の大部分を口にすることも出来ずに、指をくわえてジッとそれを見ている姿には胸が苦しくなるものだ。また、全身の痒みに耐えきれず、睡眠すらままならない状況は見ていて痛々しい。今ではだいぶましにはなったが、痒みのせいで睡眠は浅く、夜中に何度か起きて「おくすり…」と、かゆみ止めを求めるのは変わらない。
いろいろと重なるもので、アトピーとアレルギーの他に発達障害もついてきた。ADHD(注意欠陥・多動性障害)と3歳で宣告を受けた。この宣告には僕も嫁も疑問を抱いた。障害を抱えてるようには思えなかったが、「このままだと小学校で一般クラスの入学は厳しいかもしれません」と心の準備を促された。
この頃のこと、思ったことや考えたこと、そして親として僕と嫁がしてきたいくつかのことについて、いつか言葉にしてまとめるつもり。
今ではADHDの診断も修正されて一般クラスに入学し、週末は入団したサッカーチームで元気に走り回り、すくすくと成長していく姿を見せてくれている。
アトピー、アレルギー、そして発達障害。これらの原因が「寄生者不在」によるバランスの乱れにあると言えばあなたは笑うだろうか。
そればかりではない。
花粉症、ぜんそく、うつ病、自閉症、そして病の皇帝「癌」までも。これらの原因が「寄生者不在」によるバランスの乱れにあると言えばあなたは呆れるだろうか。
きれい好きなママたちは耳を塞いでしまうだろうし、パパたちはトンデモ本だと怒り出すかもしれない。
しかしだ。
本屋で試し読みでもしてみるといい。これはいわゆるトンデモ医学本とは一線を画する。
衛生という概念が誕生して約160年。この概念の発見こそ医学にとって最も偉大な発見であり、それから飛躍的に医学が進歩してきたのは言うまでもないが、同時に、人類は恐るべき代償を支払っていたのだ。
楽に読める本ではない。
それでも我々は学ぶ必要がある。
「人は誰もがみんな、誰かに支えられて生きているんだよ」
ほんとうにそうだ。
我々は、菌と共にしか生きてはいけない。
我々は、衛生の概念を得て以来、恐ろしい道を歩んでいるのかもしれない。
この本を読んだ100人のうち99人が24時間以内にヨーグルトを食べたと思う。
こいつはすごい本。
ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」で人類と病原菌の関係性を学んだ人に(そしてあの本に興奮を覚えた人に)薦めたい1冊。
アトピーやアレルギーなんてものは昔はなかった。例えばアトピーに関しては本来皮膚には微生物がたくさん寄生していて共存関係にあったのだが、必要以上に清潔にすることで微生物が不在となり代償として免疫力が低下してしまった。そんな現代人特有の病気だって話を聞いたことがある人も多いはず。
僕自身、小学生の頃は重度のアトピーに悩まされて、週に1度、車で1時間半かけて峠を越えて、となり町の有名な皮膚科の先生のところまで通っていた。おかげですっかり良くなったのだが、今でも年に1度、冬が来るたびに皮膚が数枚べろべろと剥がれ落ちて脱皮をとげる体のままだ。
問題は息子のほうで、アトピーに加えアレルギーを抱えている。卵。大豆。乳製品全般。卵に関しては数値が高く、食べると死亡リスクがある数値だと注意を受けた(6歳となった現在は大豆を克服、チーズを克服、卵の黄身を克服と、徐々に改善を見せている)。
友達が食べているおいしそうなお菓子の大部分を口にすることも出来ずに、指をくわえてジッとそれを見ている姿には胸が苦しくなるものだ。また、全身の痒みに耐えきれず、睡眠すらままならない状況は見ていて痛々しい。今ではだいぶましにはなったが、痒みのせいで睡眠は浅く、夜中に何度か起きて「おくすり…」と、かゆみ止めを求めるのは変わらない。
いろいろと重なるもので、アトピーとアレルギーの他に発達障害もついてきた。ADHD(注意欠陥・多動性障害)と3歳で宣告を受けた。この宣告には僕も嫁も疑問を抱いた。障害を抱えてるようには思えなかったが、「このままだと小学校で一般クラスの入学は厳しいかもしれません」と心の準備を促された。
この頃のこと、思ったことや考えたこと、そして親として僕と嫁がしてきたいくつかのことについて、いつか言葉にしてまとめるつもり。
今ではADHDの診断も修正されて一般クラスに入学し、週末は入団したサッカーチームで元気に走り回り、すくすくと成長していく姿を見せてくれている。
アトピー、アレルギー、そして発達障害。これらの原因が「寄生者不在」によるバランスの乱れにあると言えばあなたは笑うだろうか。
そればかりではない。
花粉症、ぜんそく、うつ病、自閉症、そして病の皇帝「癌」までも。これらの原因が「寄生者不在」によるバランスの乱れにあると言えばあなたは呆れるだろうか。
きれい好きなママたちは耳を塞いでしまうだろうし、パパたちはトンデモ本だと怒り出すかもしれない。
しかしだ。
本屋で試し読みでもしてみるといい。これはいわゆるトンデモ医学本とは一線を画する。
衛生という概念が誕生して約160年。この概念の発見こそ医学にとって最も偉大な発見であり、それから飛躍的に医学が進歩してきたのは言うまでもないが、同時に、人類は恐るべき代償を支払っていたのだ。
楽に読める本ではない。
それでも我々は学ぶ必要がある。
「人は誰もがみんな、誰かに支えられて生きているんだよ」
ほんとうにそうだ。
我々は、菌と共にしか生きてはいけない。
我々は、衛生の概念を得て以来、恐ろしい道を歩んでいるのかもしれない。
この本を読んだ100人のうち99人が24時間以内にヨーグルトを食べたと思う。